子浩法律事務所から「警告書」が届いたら - 時効について確認しまてみましょう-

このページでわかること
  • 生活保護を受けている方が借金を払わずに解決したケース
  • どんな場合に消滅時効が成立するのか
  • 支払い義務を消滅させる具体的方法

こんな相談がありました

生活保護を受給されている方から、弁護士法人子浩法律事務所より「警告書」が届いたとのご相談をいただきました。

相談者によれば、生活保護を受給するようになる以前は生活費の補填のためにクレジットカードを利用したことがあったものの、生活が困窮するようになってからは支払が滞ったままになっているとのことでした。

少なくとも、生活保護を受給するようになってからは一切支払いをしていないようで、請求自体は少し前から頻繁に書面が届いていたものの、生活保護費から返済をするわけにもいかずそのままにしていたところ、今回の「警告書」というタイトルに強い不安を感じ、ご相談に来られたとのことでした。

なお、実際に届いていた書面は以下の内容です。

(※以下原文そのまま)

警告書

弁護士法人子浩法律事務所(シコウと読みます)
代表弁護士 小林浩丈
東京都新宿区大久保二丁目7番17号清和ビル
TEL03-6205-5129(0362055129)
お問い合わせ番号 JCxx-xxxxx

下記の最終期限までに入金も連絡もない場合、法的手続きへの移行を債権者と協議します。
本件に関して異議がある場合、速やかにご連絡ください。

【本件に関するお問い合わせ】子浩法律事務所 03-6205-5129(0362055129) (平日午前9:00~午後7:00)

債権者 株式会社ジェーシービー
請求金額 金1445105円也
請求内容 未払い金
支払期限 2026年x月x日

指定口座<銀行>三菱UFJ銀行 やまびこ支店 普通預金XXXXXXX(名義人)カ)ジェーシービー

(裏面もご覧ください)

<請求金額の内訳>(単位:円)
      元金   利息手数料 遅延損害金 計(左記請求金額を含む総残高)
リボルビング  340000  10000    670000   1020000
総合割賦   50000   1000    40000    91000
キャッシングリボ 90000   4000    240000   334000
調整金など 0     105     0      105
計     480000  15105    950000   1445105
※一部カードを除きショッピングスキップ払いは総合割賦に含まれます

3xxx-3xxx-8xxx-1xxxx 契約日2011年1月

<貸金元利請求明細>(除く遅延損害金)
請求月2019年12月 請求金額   90000

<貸金取引明細>
キャッシングリボ 利用日2011年7月 貸付金額100000 実質年利18.00%

※キャッシング1回払い、キャッシングリボ払いのご請求については、同一締めのご利用分をすべて表示しています。
※記載の利率は利率変更に伴い、現在の適用利率と異なる場合があります。
※2013/9/15以前のキャッシングリボ払いご利用分は、最終ご利用日とその時点のご利用残高を表示しています。

<貸金業務にかかる指定紛争解決機関>
日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター
〒108-0074 東京都港区高輪3-19-15 電話番号03-5739-3861(0357393861)

<債権者>
株式会社ジェーシービー(関東財務局長第00183号)
東京都三鷹市下連雀7-5-14 電話番号0570-007-400(0570007400)
調査部 管理責任者 中島健

より良い解決方法を考えましょう

非常に細かく記載がされているので、理解できない箇所も少なくないと思いますが、最適な解決方法を考える上で
注目すべき点は以下のとおりです。

・契約日が2011年
・請求明細が2019年12月
・遅延損害金が95万円と大きく膨らんでいる

相談者の申告どおり、長期間未払いが続いていることがこの辺りから分かります。

■弁護士からの通知=特別ではない

弁護士法人子浩法律事務所は、非常に多岐にわたる債権者から回収業務を委託されている弁護士事務所ですが、弁護士事務所から請求が来ているからといって、直ちに状況が変わるものではありません。

また、子浩法律事務所の場合、弁護士・司法書士が介入すると、債権回収の委託は解除され、その後のやり取りについては債権者と直接行うことが多いため、通知書を出す頻度こそ高いものの、法的手続きには積極的ではないということが窺えます。

したがって、弁護士名義だからといって過度に恐れる必要はありません。

※子浩法律事務所の委託元の例

・株式会社ジェーシービー
・三菱UFJニコス
・オリエントコーポレーション
・アプラス
・セディナ系
・NTTファイナンス(ドコモ)
・KDDI(au)
・マンション管理組合、公的賃貸住宅滞納家賃収納等
・サンステージ(旧ベルーナ)



重要なポイント

5年以上で未払いの状況が続いている可能性があるのであれば、言わずもがな“消滅時効”が成立しているかを検討してください。

 時効の要件(条文)

要件内容根拠
時効期間原則5年民法166条1項
起算点権利行使可能時民法166条
援用主張が必要民法145条
更新裁判・承認でリセット民法147条・152条

① 本件は時効の可能性が極めて高い

・契約:2011年、最終請求:2019年
・元金48万円、遅延損害金95万円

少なくとも5年以上経過している可能性が高い構造です。利息制限法における元金10万~100万円の上限金利は年利で18%ですので、損害金が元金を上回るには、単純計算で6年程度の未払い期間が必要になります。

② 安易な連絡は危険

以下の事実はすべて時効リセットの原因になります

・電話で事情説明
・分割相談 
・「払えない」と伝える

債務承認と認められる事実があると、時効はリセットされてしまい、後から“元々時効だった”という主張をすることはできません。

なお、今回の相談者は生活保護を受給していますが、前提として、生活保護費の中から借金の返済をすることは認められていません。

その旨を債権者に伝えることで一時的に請求が止む可能性はありますが、根本的には解決ではありません。生活保護の受給が廃止された頃を狙って、改めて請求を受けるリスクがある点は注意が必要です。

③ 裁判所から書類が届いたことがあるか否か

 過去に裁判所から訴状、支払督促などが届いていた場合、これに対応せずとも手続きは自動的に進んでしまうことになります。

そして、これらの手続が確定してしまうと、時効はリセットされ、少なくともそこから10年は支払義務が残ることになるため、裁判所から書類が届いていたかどうかという事実は、(ご家族や同居人がいらっしゃる方は特に、)注意が必要です。

■日本司法支援センター(法テラス)を利用しての対応が可能

法テラスとは、無料法律相談の実施、弁護士・司法書士費用の立替え(民事法律扶助)、適切な相談窓口の案内などを行っている国が設立した公的機関の通称です。

生活保護受給者に限らず、収入や資産が一定基準以下の人でも利用でき、借金問題、離婚、労働トラブルなど幅広い分野に対応しています。

なお、法テラスを介して弁護士・司法書士に依頼した際の費用については、一旦法テラスが立替えて払ってくれることとなりますが、依頼した業務が終了した後は、法テラスへ一括または分割でこれを償還していくこと必要があります。(但し、要件を満たす場合は、償還が免除されることがあります。)

利用要件

・収入・資産が基準以下
・解決見込みあり(時効案件は該当)

流れ

① 申込 → ② 審査 → ③ 弁護士・司法書士選任 → ④ 受任通知送付(督促停止)→ ⑤ 調査 → ⑥ 時効援用 → ⑦ 終結

直接依頼をいただく場合よりも手続きが煩雑となり、法テラス提出用として準備すべき書類なども増えますが、どこの事務所に依頼するよりも安価で依頼することが出来るため、利用要件を満たす方は積極的に利用なさった方が良いと言えます。

解決

本件は上記で検討したとおり、消滅時効を援用して解決を図ることが出来る可能性が高いと判断できたため、法テラスを利用して受任しました。

当事務所と法テラスと相談者との3者間で契約を済ませた後で債権調査を行ったところ、時効の要件を満たしていることが確認できたため、JCBに対し内容証明郵便にて消滅時効を援用しました。

結果、JCBの担当者との間で支払義務が消滅した点、今後の請求・督促が一切ない点を確認し、業務を終了しました。

なお、今回のケースでは、別途申請により相談者は法テラスが立替えた費用の償還も免除されたため、手続費用についても自己負担なく、JCBへの返済義務を免れたことになります。

子浩法律事務所からの通知書面は、内容もさることながらその頻度からも不安を煽るものですが、その実態は回収のための一手段に過ぎません。

恐怖や焦りの中で正常な判断をすることは非常に難しいため、今回の相談のように子浩法律事務所から思わぬ請求が来た場合、まずは専門家に相談することを心がけてください。
なお、子浩法律事務所の「警告書」は時効ではなく延滞期間が短いものも多く見受けられますのでご注意下さい。

当事務所では、法テラスの利用も含め、最適な解決方法をご提案させていただきます。

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事務所概要

アルスタ司法書士事務所
お電話 0120-697-096
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    執筆者:司法書士 大塚勇輝
    アルスタ司法書士事務所 共同代表/大阪司法書士会所属


    1985年生まれ。父親の転勤により沖縄で生を受けるも、育ちはほぼ大阪一筋40年。 何故か小さい頃から周辺に法律問題が多く、公務員である父親への反発もあってか、大学卒業後もサラリーマンの道を選ばず司法の世界へ。 2010年司法書士試験合格。自称「個人の顧問法律専門家」。登記・成年後見業務に限らず、相続問題や借金問題など相談者の様々なニーズに応えることに注力している。

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