パルティール債権回収より通告書が届いたら

このページでわかること
  • 5年以上未払いが続いている借金を払わずに解決したケース
  • パルティール債権回収の通知書から読み取れること
  • 支払い義務を消滅させた具体的方法

こんな相談がありました

40代男性の方から、【パルティール債権回収株式会社】より請求書面が届いたとのご相談をいただきました。

相談者の方は、

・過去に楽天カード株式会社を利用していた記憶はあるものの、未払いがあった認識はない
・最近になって別の会社に債権が譲渡されたとの通知が届き不安になった

とのことでした。

実際に届いていた書面は以下の内容です。
(※以下原文ママ)

<通告書>
前略 弊社、パルティール債権回収株式会社は、楽天カード株式会社が貴殿(貴社)に対し有していた下記表示の債権を、2024年6月x日付で譲り受けております。

再三にわたりお支払いのご連絡を差し上げましたが、未だご入金いただけず長期にわたり債務不履行の状態が継続しております。

貴殿(貴社)にも相当なご事情があるものと察しますが、このままの状況が続きますと、裁判上の手続きを検討せざるを得ないことを通告致します。

つきましては、2026年x月x日までに下記『ご請求金額』に記載しております金額をお支払い下さい。

また、期日までにご返済が困難な場合は、返済計画のご相談も承ります。貴殿(貴社)の現況やお考えを弊社宛てにご連絡下さいますようお願い申し上げます。

本状と行違いにご連絡・ご入金されている場合は、ご容赦願います。草々


<ご請求金額(残存債務)> 金701000円(2026年x月x日時点、内訳は下記記載)
(内訳 元金690000円、利息0円、損害金12000円)
譲受債権の内容
契約番号RKCxx-xxxxxxxxx-xx
契約年月日 2019.x
譲受残元金 690000円
譲受利息 0円
譲受損害金 0円
譲受金額合計 690000円
支払いの催告に係る債権の弁済期 2024.x
当初契約金額 760000円
債権種類 再契約
損害金率 3.000%
譲受金額基準日 2024.x
債権譲渡日 2024.x
原債権者 楽天カード株式会社 関東財務局長 第01486号
振込口座 三井住友銀行 渋谷駅前支店 普通預金№.xxxxxxx 口座名義 パルティール債権回収株式会社

※上記<ご請求金額(残存債務)>については、利限法超過債権は利息制限法所定の利率により計算された金額になります。

譲受利息、譲受損害金が0円もしくは損害金率0%と記載のある方につきましては、債務名義取得または和解により債務残高が異なる場合がございますので、念のためお電話にてお問い合わせください。

より良い解決方法を考えましょう

パルティール債権回収は、主に楽天カード、アプラス、イオンクレジットサービスといった信販会社の債権を譲り受けて回収を行うサービサーです。

もともとこれらのカード会社は比較的柔軟な対応を取る傾向がありますが、債権譲渡後は一転して、

・分割条件が厳しい(そもそも分割払いを一切認めない場合もあります)
・将来利息カットに応じない
・法的手続を前提とした督促

へと変わります。

さらに、【弁護士法人引田法律事務所】へ委託されるケースも多く、短期間で回収圧力が強まるのが特徴です。



重要なポイント

仮に、請求書受けている債権について、未払いの期間が5年以上続いている可能性があるのであれば、初めに“消滅時効”の可能性を疑ってください。

■時効の要件

消滅時効は以下のとおり判断されます。

要件内容根拠条文
時効期間原則5年民法166条1項
起算点権利行使可能時民法166条
援用主張が必要民法145条
更新裁判・承認でリセット民法147条・152条

つまり、本来支払うべき時から5年以上未払いが続いており、時効を中断・更新させるだけの裁判・承認(債務の存在を認めるような言動、行為)がなければ、時効の要件は満たしており、

その上で、この時効を援用することで初めて、支払義務を免れることが出来る、という法律だということです。

意識外にある過去のことなので、当時のことを思い出すのは大変かもしれませんが、この“5年”というポイントが一番重要なので、最低でも“5年以上なのか5年未満なのか”、ここを明らかにしていく必要があります。

届いた通知書から明らかになるケースも少なくありませんが、対パルティール債権回収で注意すべきポイントは、以下の記載です。

①債務名義が「隠れている可能性」

「譲受利息、譲受損害金が0円…債務名義取得または和解により残高が異なる場合がございます」といった記載がありますが、これは裏を返すと、すでに判決や支払督促(=債務名義)が存在している可能性を示唆しています。

しかし、通知書からその有無は明確ではありません。

そのため、実は裁判の事実があり、時効がリセットされた上、5年から10年に延びている、強制執行可能な状態になっている可能性も否定できません。

②「弁済期」の記載は信用できない

本件では、、“弁済期、譲受金額基準日、債権譲渡日”が同日または連続した月の記載になっています。

これは、本来の支払期限や期限の利益の喪失日(時効期間を計算する上で、スタートとなる日付)を示すものではなく、単なる形式的な日付に過ぎない可能性があります

したがって、この日付をもって「既に時効期間が経過している」または「まだ時効にはなっていない」と判断するのも必ずしも正しいとは限りません。

④損害金から未払期間を逆算できない

通常であれば、損害金額から未払期間はある程度推測できます。

しかし本件では、損害金が12000円と極めて少額であり、利率も低い(3.0%)ことから、未払期間を正確に推測することができません。

パルティール債権回収については、債権譲渡後の期間のみを損害金として計上している可能性が高く、実際の延滞期間はもっと長い可能性があります。

⑤連絡は時効リスクを伴う

「電話してください」と記載がありますが、分割相談や支払意思の表明をしてしまうと、債務承認(民法152条)により時効がリセットされてしまいます。

解決

今回のケースでは、債権譲渡が2024年であることから、どれだけ遅くともこれ以前に支払いが止まっていることは明らかです。(債権譲渡後にパルティール債権回収へ支払い、連絡をしてしまっているような場合は除外します。)

契約日が2019年ということなので、2019~2024年までの相談者の居住状況や生活状況を確認したところ、少なくとも5年以上は支払いが止まっていると考えられため、消滅時効の援用を前提として債権の調査を行いました。

すると、実際にも最終支払から5年以上経過していることが判明し、途中で裁判など時効をリセットさせるような事実もないことも明らかになりました。

最終的に、内容証明郵便により時効を援用し、パルティール債権回収の担当者との間で請求を受けている701000円全額について支払義務が消滅したことを確認して業務は終了しました。

パルティール債権回収からの請求は、届いた通知書面の日付や金額からのみでは時効かどうかを明らかにすることが難しいケースも少なくありません。

加えて、債務名義の有無まで検討する必要があることを考えると、一人でこれを網羅するのは困難と言わざるを得ません。

この点、関連する法律知識や多くの案件を処理した経験のある専門家に相談し、意見を聞いてみることがより良い解決に向けての第一歩なのではないでしょうか。

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アルスタ司法書士事務所
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    執筆者:司法書士 野間知洋
    アルスタ司法書士事務所 共同代表/大阪司法書士会所属


    前職は某中小消費者金融に勤務。債務整理に関しては債務者側・債権者側双方で通算20年以上の経験を有する。 現在は権利擁護(成年後見等)に注力。

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