アウロラ債権回収から訴状が届いたら

このページでわかること
  • 訴状が届いても借金を払わずに解決した人の話
  • 「期限の利益の喪失」とは
  • 支払い義務を消滅させる具体的方法

こんな相談がありました

50代男性の方から、アウロラ債権回収株式会社から突然「訴状」が届いたが、どう対応すればよいのか分からない、といった相談がありました。

随分古い借入についての請求であること以外はほとんど記憶にないようでしたので、訴状の記載から思い出してもらうことにしました。

(住所及び送達場所)
105-6219
東京都港区愛宕二丁目5番1号 愛宕グリーンヒルズMORIタワー19階
原 告 アウロラ債権回収株式会社
    代表者 代表取締役 清水 浩之
電 話 03-6721-5884
FAX 03-5408-5196

請求の趣旨
被告は,原告に対し,下記金員を支払え。
1 金xx万xx円及び
  内金xx万xx円に対する平成29年xx月xx日から支払済みまで年18.00%の割合による金員
2 訴訟費用は,被告の負担とする。
 との判決並びに仮執行の宣言を求める。

請求の原因
1 原告は,債権管理回収業に関する特措措置法により,法務大臣から債権回収業の許可を得ている債権回収会社である。
2 契約の内容
  訴外株式会社レタスカード倶楽部(旧商号 関西クレジット株式会社)(以下,「訴外会社1」という)は,下記記載の契約日に被告との間で,極度額契約(甲第1号証)を締結し,取引を開始した。貸付及び入金の状況は別紙計算書のとおりである。
 契約日 平成12年xx月xx日
 契約有効期間 契約日からx年xヶ月
 利息 実質年利率29.200%
 遅延損害金 実質年利率29.200%
 約定返済日 毎月5日
 返済方式 元利均等返済方式
 期限の利益の喪失 第2条の各項に基づく支払を1回でも怠った時。

3 訴外会社間での譲受債権の内容
 次のとおり,訴外会社間で,それぞれ債権譲渡契約を締結し,当該契約に基づいて本件貸付債権を譲り渡した。

 債権譲渡日       譲渡    譲受
 平成25年xx月xx日 訴外会社1 株式会社オー・シー・エス
                   (以下,「訴外会社2」という)
 平成23年xx月xx日 訴外会社2 エイ・アイ・シー債権回収株式会社
                   (以下,「訴外会社3」という)
 平成28年xx月xx日 訴外会社3 株式会社SKトラスト・パートナーズ
                   (以下,「訴外会社4」という)
 訴外会社3は訴外会社4と連名で,債権譲渡通知を被告へ発送した。
 (平成28年xx月xx日付)

4 原告が譲り受けた本件貸付債権の内容
 原告は,平成29年xx月xx日,訴外会4との間で,債権譲渡契約を締結し,本件貸付債権を譲り受けた。訴外会社4と原告は連名で,債権譲渡通知を被告へ発送した。(平成30年xx月xx日)

5 債権残高
 本件貸付債権は利息制限法の制限額を超える利息及び賠償額の約定のある債権である。原告は,本件貸付債権の発生原因である当初契約時に遡り,別紙計算書のとおり,利息制限法に基づいて引き直し計算をした。

6 期限の利益の喪失
 被告は,おそくとも原契約(甲第1号証)に基づく、平成13年xx月xx日の支払を怠ったため同日の経過をもって期限の利益を喪失した。

7 よって,原告は,被告に対し,請求の趣旨記載の支払を求めるため本訴に及ぶ。

より良い解決方法を考えましょう

さて、裁判所から訴状が届いた時はどうすべきでしょう。急いで裁判所へ連絡するべきでしょうか?直ぐに相手方に取り下げてくれと手紙を送るのが良いでしょうか?

いいえ、先ずは落ち着いてください。

裁判所から書類が届いてしまったら“もう払うしか選択肢がない”というようなことはありません。

裁判所から訴状や支払督促が届いた段階であれば、裁判手続に沿って提出する答弁書や準備書面、督促異議と呼ばれる書類、または、期日において主張する内容次第で支払義務を免れることができる可能性も残されています。

そのためには、落ち着いて内容をよく理解し、主張できる権利や事実の検討が不可欠です。

ただし、いつまでも相手方や裁判所がこちらの主張を待ってくれるわけではありません。

原則、裁判が終わってしまってから「実はこういった事実があった」「こういった主張があった」などと主張することはできませんので、最低でも主張したいことは指定された期日に間に合わせる必要があることに注意しなければなりません。



重要なポイント

「古い契約について請求を受けた時」に最初に確認すべきは、「期限の利益の喪失」についてです。

期限の利益とは、返済期日が到来するまでは返済を猶予される「返済側の利益」を指します。

多くの契約書には期限の利益の喪失に関する条項として、

・支払を1回でも怠った時
・返済金額の一部又は全部を怠った時

などと定められており、これに該当すると、元々分割返済の契約だったとしても、残額全額について一括して返済しなくてはならない状態になります。

今回のケースで言えば、

・請求の原因2の最終行において、

「期限の利益の喪失 第2条の各項に基づく支払を1回でも怠った時。」

・請求原因6において、

「被告は,おそくとも原契約(甲第1号証)に基づく、平成13年xx月xx日の支払を怠ったため同日の経過をもって期限の利益を喪失した。」

とされていることから、平成13年xx月xx日の翌日から一括して返済をすべき状況にあったということになり、また同時に、残額全額の支払義務が発生してから既に20年以上経過しているということが分かります。
また、訴状の別紙計算書(利息制限法に基づく法定金利計算書)を見ると最終の取引も平成13年でした。

常々申し上げていることですが、5年以上未払いが続いている場合は、消滅時効の成立を疑ってください。

消滅時効の要件

 5年以上支払をしていない
 ・過去10年以内に裁判(訴訟・支払督促)を起こされていない
 ・5年以内に相手方と直接連絡(電話・面談など)をしていない

これら3つの条件をすべて満たす場合、「消滅時効を援用」をすることで、法的に支払義務を消滅させることが可能です。

【民法166条】
 債権は、債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき、又は権利を行使することができる時から10年間行使しないときは、時効によって消滅する。

注意すべきは、時効は援用なくしてその効果は得られないという点です。

これは裁判上でも同じです。たとえ時効期間が経過していたとしても、時効に関する主張がない限り、裁判所が親切にこれを取り上げてくれるようなことはありません。

どのシーンでも、時効が主張されて初めてその効果が得られるということをよく覚えておいてください。

解決

今回のケースでは、訴状が届いた時点で直ぐに相談をいただいたので、「答弁書」の中で

時効を援用したところ、アウロラ債権回収はこれを争うことなく裁判を取り下げるに至りました。

なお、裁判が取り下げられた場合は、裁判上で主張したことなどは確定せず、なかったことになるため、相手方がその気になれば、改めて請求や裁判手続きを執ることも不可能ではありません。
念のため裁判外でも時効の成立と今後の請求はないことを相手方に確認し解決に至りました。

アウロラ債権回収株式会社から訴状が届いた場合でも、時効援用によって解決できるケースがあります。

ただし、手続きには期限があります。これを守らず放置すると、そのまま判決が確定し、差押え等へ進む危険がありますので、早急に内容を確認し、慎重に対応することが重要です。

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    執筆者:司法書士 大塚勇輝
    アルスタ司法書士事務所 共同代表/大阪司法書士会所属


    1985年生まれ。父親の転勤により沖縄で生を受けるも、育ちはほぼ大阪一筋40年。 何故か小さい頃から周辺に法律問題が多く、公務員である父親への反発もあってか、大学卒業後もサラリーマンの道を選ばず司法の世界へ。 2010年司法書士試験合格。自称「個人の顧問法律専門家」。登記・成年後見業務に限らず、相続問題や借金問題など相談者の様々なニーズに応えることに注力している。

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