
ポケットカードの未払いが発覚したら/JICC・CICの記載を交えて
こんな相談がありました
今日は、【ポケットカード株式会社】に関する消滅時効のご相談です。
どうやら、ポケットカードや別の債権回収会社(サービサー)などから請求書が届いたわけではないようです。
携帯端末の分割購入をしようとしたところ審査に通らず、「過去の借入が残っている可能性がある」と指摘されたことをきっかけとして、信用情報機関である日本信用情報機構(JICC)および株式会社シー・アイ・シー(CIC)の情報を取得したところ、ポケットカードの未払いが登録されていることが明らかになったとのことでした。
■JICC(日本信用情報機構)
JICCを取得すると、ファイルDとファイルMというものに分かれて借入情報が開示されます。
このうち、ファイルDにはキャッシングに関する借入・返済情報が登録されています。
・消費者金融
・クレジットカード(キャッシング)
平たく言えば、「現金」の借入・返済情報ということですが、同じクレジットカードの借入・返済情報でも「ショッピング」はここには記載されません。
一方、ファイルMにはショッピングに関する借入・返済情報が登録されています。
クレジットカード(ショッピング)
携帯電話の分割払い
自動車ローン(分割払い)
主に「買い物に関する借入・返済の履歴」と考えてよいでしょう。
なお、JICCは毎月内容が更新されます。
■CIC(株式会社シー・アイ・シー)
CICにはJICCのようにキャッシングとショッピングに分かれてることなく、クレジットカード(ショッピング)やローン利用に関する情報を主として、登録業者毎に記載がされます。
クレジットカード会社しか登録がないように思われがちですが、クレジットカードの発行など行っていない会社(家賃保証会社、保険会社など)も登録があることから、それらの会社と取引をする際に、CIC加盟業者との間で未払いなどがあると、取引ができない可能性があることに注意しなければなりません。
なお、CICも月に1回更新されますが、支払状況については過去24か月分記載されることがありますので、延滞を繰り返されている方などについては、新たな借入、申込の際に注意が必要です。
さて、ポケットカードはP-oneカードやファミマTカードなどのクレジットカードを発行している会社であり、同社と契約をすると信用情報機関にその旨が登録されることとなります。
また、ショッピングやキャッシングの利用残高が長期間放置されると、延滞記録が登録されていることになります。
■ポケットカードの会社概要
ポケットカード株式会社
・本社:東京都港区芝公園1-1-1 住友不動産御成門タワー
・大阪センター:大阪府大阪市中央区瓦町2-5-14 本町オーミビル
・設立:1982年
・事業内容:クレジットカード事業、融資事業、保険代理店事業、その他
今回の相談は、そもそもポケットカードの未払いがあったこと自体認識がなかったようですが、「請求が来ていない=債務がない、問題がない」と思っていたところ、実際には未払いがあったことより生活に支障をきたしてしまった典型的なケースだと言えます。
より良い解決方法を考えましょう
「信用情報を見ればどういった状況にあるのか、時効かどうかのヒントが得られる」ことがあります。
※JICC(ファイルD)
・貸付日・契約日
・出金日・利用日
・入金日
・残高
・入金予定日
・異参サ内容 異参サ発生日
※JICC(ファイルM)
・契約日
・利用日
・最新入金日/確認日
・割賦残高金額
・入金予定日
・契約終了日
※CIC
・契約年月日
・残債額
・返済状況(異動発生日)
・終了状況
この辺りの情報を確認することで、時効となりうるかどうか程度の判断が可能になります。
また、「異動」と記載されている場合は、いわゆる延滞や債務不履行の状態であることを意味します。これ自体は時効を否定するものではありませんが、長期間更新されていない場合は時効援用可否検討の重要な手がかりになります。
重要なポイント
<時効>の基本的な考え方は、これまでと同様です。
2020年4月1日以前の契約については、商行為に該当するクレジット債権であれば、原則として5年で消滅時効にかかります。ポケットカードのようなクレジット契約は典型的な商行為ですので、このルールが適用されます。
そして重要なのは、時効は期間が経過しただけで自動的に消えるものではなく、「援用(主張)」しなければ意味がないという点です。信用情報に載っているということは債務は消えていません。
●JICC・CICの記載の違いについて
ここで誤解が非常に多いポイントを説明しておきます。
「時効援用をすれば信用情報内の事故情報が消える」という情報をインターネットで見かけることがありますが、これは正確ではありません。
実際には、
・完済した場合
・消滅時効を援用した場合
いずれも最終的な記録の扱いは「契約終了」として処理され、一定期間経過後に信用情報から削除されるという点で結果は同じです。
違いとしては、
・完済 → 正常終了(完了)
・時効援用 → 貸倒・回収不能として終了
といった内部的な扱いの差はありますが、利用者側の信用情報の見え方としては大きな差はありません。
したがって、「時効援用をすればすぐに信用情報が消える」「ブラックが消せる」といった勧誘は誤りであり、場合によっては詐欺的なサービスである可能性もありますので注意が必要です。
なお、JICCとCICでは取り扱いが異なっていたり債権者によっては時効援用後すぐに情報が削除されていることもあるとの未確認情報ありますが詳細についてはまたの機会にしましょう。
解決
今回のケースでは、信用情報上の最終入金日から5年以上が経過しており、異動情報の中に裁判の有無を感じさせるような記載もなく、申告によれば直接の連絡なども一切行っていないとのことでした。
信用情報の記載はすべての事実が網羅しているわけではない(場合によっては、登録業者が正確に情報を反映させていないケースも散見されます)ので、改めて当事務所が代理人としてポケットカードに対し取引履歴の開示を請求し、時効の起算点および更新事由の有無を精査したところ、時効を中断・更新させる事情が存在しなかったため、内容証明郵便により消滅時効を援用しました。
これにより、当該債務は法的に消滅し、今後の請求や督促を受けることもなくなり、信用情報の記載についても正しく更新するよう案内をし、業務は終了しました。
「請求が来ていないから大丈夫」と思っていた借入でも、信用情報には残り続けていることがあります。違和感がある場合は、まずは信用情報を確認し、適切な対応を検討することが重要です。
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アルスタ司法書士事務所
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お問い合わせ
執筆者:司法書士 野間知洋
アルスタ司法書士事務所 共同代表/大阪司法書士会所属
前職は某中小消費者金融に勤務。債務整理に関しては債務者側・債権者側双方で通算20年以上の経験を有する。 現在は権利擁護(成年後見等)に注力。
