携帯代(通信料、端末代)の時効援用について/ニッテレ債権回収株式会社

このページでわかること
  • 通信債権(通話料、端末代)は時効になりうるか
  • ニッテレ債権回収から通信債権について請求が来た時に検討すべきこと
  • 未払いの通信債権の適切な解決手段(時効援用後に契約が可能か否か)

こんな相談がありました

50代男性の方から、【ニッテレ債権回収株式会社】から<法的手続の準備に入らざるを得ません>というタイトルの書面が届いたとのご相談をいただきました。

内容を確認すると、商品名の欄に<ソフトバンク911SH>、契約日の欄に2007年と記載があるため、過去に利用していたと思われる携帯端末の割賦代金の請求であることが窺えますが、本人としても「かなり昔の話で記憶が曖昧」とのことでした。

請求そのものは少し前からあったようですが、ニッテレ債権回収などという会社に覚えはなく、きっと詐欺の類だろうと放っておいたところ、“法的手続の準備”という文言を見て急に不安になり、相談に来られたようです。

先ず、ニッテレ債権回収は詐欺業者ではありません。法務大臣の認可を受けたれっきとしたサービサーであり、中でも非常に広く、多くの債権を取り扱っている会社として知られています。

※サービサー(債権回収会社)とは、「債権管理回収業に関する特別措置法」(サービサー法)に基づき、法務大臣より営業許可を受けた民間の専門会社を指します。金融機関等から委託を受け、または譲り受けて、特定金銭債権の管理回収を行うことを主な業務としています。

また、ニッテレ債権回収は、特定金銭債権にあたらない公共料金・通信販売・情報料などの債権もなども取り扱っているため、必ずしもニッテレ債権回収=古い消費者金融やクレジットカードの未払い金の請求というわけではありません。

会社概要
【社名】ニッテレ債権回収株式会社
【本社】東京都港区芝浦3丁目16番20号 
【設立】1986年
【事業内容】特定金銭債権の受託とその管理・回収及び買取業務など
【株主】NTSホールディングス株式会社

●東京サービシングセンター 
連絡先(一例)03-3769-1215(0337691215)、03-5427-7830(0354277830)、0120-481-215(0120481215)
譲渡元例
・アビリオ債権回収株式会社(プロミス)
・株式会社かんそうしん
・ヤマトクレジットファイナンス株式会社
・三井住友トラストクラブ株式会社
・株式会社ビューカード

●札幌サービシングセンター
連絡先(一例)011-252-2001(0112522001)、011-200-8200(0112008200)、0120-821-451(0120821451)
譲渡元例
・株式会社NTTドコモ(DCMX)
・株式会社ゴールドポイントマーケティング
・ケーエフケーツー株式会社(セントラルファイナンス青森)
・道銀カード株式会社

●福岡サービシングセンター
連絡先(一例)092-263-0554(0922630554)、092-283-2576(0922832576)、0120-680-575(0120680575)
譲渡元例
・株式会社アプラスインベストメント
・九州カード株式会社
・中銀カード株式会社
・佐銀信用保証株式会社
・オリックス銀行株式会社(ソフトバンク端末代)

このうち一部について弁護士法人駿河台法律事務所や、NTS総合弁護士法人へ回収委託を行っているケースが確認されています。

そして、他のサービサーと異なる点として、大手通信会社の債権を取扱っていることが挙げられますが、具体的に、今回の相談のようなソフトバンク株式会社で購入した携帯の端末料金以外にも、株式会社NTTドコモからも債権譲渡や委託を債権の回収を行っています。

ではここで、ニッテレ債権回収が請求をしてくるソフトバンク、ドコモに係る債権について言及したいと思います。

①株式会社NTTドコモ
一言でドコモと言っても、グループ会社や発行しているクレジットカードなどが多数ありますが、このうちDCMXカードやdカードと呼ばれるカードの利用分の未払いについて、ニッテレ債権回収へ債権譲渡または回収委託がなされています。

DCMXカードもdカードもドコモが発行しているクレジットカードですが、前者は2005年から提供が始まったもので、既に2015年11月20日時点で新規の受付が終了しています。これに代わるものとして後者のdカードが提供されるようになり、現在に至ります。

このうちdカード利用に係る債権については、比較的初期の延滞段階からニッテレ債権回収に回収委託されているケースが見られます。(一部についてNTS総合弁護士法人に回収委託をしているケースも存在します。)

どれだけ古いものでも2015年11月以降の利用分ということなので、dカード利用分については、ニッテレ債権回収から請求が来ているからと言って必ずしも古いものではなく、そのため、その後の対応については十分な見極めが必要です。

一方で、DCMXカード利用に係る債権は、2015年に新規の受付が終了していることからも古い債権であることが多く、ニッテレ債権回収から請求が来た時点で既に未払い期間が5年、10年と続いているケースも少なくありません

dカード債権が「回収委託」で有ることに対して、DCMX債権が「債権譲渡」なのは、債権の古さからくる取扱いの違いなのかもしれません。

②ソフトバンク株式会社(端末代のみ)
ニッテレ債権回収から請求を受けるソフトバンクに関する債権は、携帯端末の割賦代金の未払い金に限ります。

オリックス銀行がソフトバンクから未払いの「携帯端末の割賦代金のみ」をバルク(一塊を大量に)購入し、その後、ニッテレ債権回収に当該債権を譲渡した、というだけのことなので、特段の問題はありません。

但し、ここで忘れていけないのは通信料の未払いの存在です。

通信料は支払いをしており、携帯端末の割賦代金だけが未払いというケースは決して多くないはずなので、携帯端末の割賦代金についてニッテレ債権回収から請求が来ている時点で、今なおソフトバンク内に通信料の未払いも残っている可能性を疑う必要があると言えるでしょう。

より良い解決方法を考えましょう

実は、通信債権(通信料、携帯端末の割賦代金いずれも)もクレジットカードや消費者金融からの借り入れと同様に、要件を満たせば時効が成立します。

しかしながら、時効は要件を満たしたとして、勝手にその効果が得られるものではありません。

きちんと“援用”という形で、相手方にその効果を享受する旨を伝える必要があり、口頭ではなく、“内容証明郵便”などの配達の記録が残る形で行うことが一般的です。



重要なポイント

未払いの通信債権について時効援用してしまうと、通信会社から未払い金の請求されることはなくなりますが、未払い金を解消しない限り、基本的には新たに契約することはできません。

なお、通信会社間での未払い情報は、通信債権は延滞発生から5年しか共有されていません。したがって、未払いが通信料のみである場合は、未払いのままでも、数年後には他社で新たに契約できてしまう可能性があります。

反対に、携帯端末の割賦代金が未払いであれば、信用情報上にその旨記載(未払発生から解消されてから5年経過まで)されてしまうため、新たに携帯端末は割賦で購入することはできず、新たにクレジットカードやローンの審査には大きく影響を及ぼすことになります。

時効の要件(条文)
消滅時効は以下のルールで判断されます。

時効期間|原則5年(民法166条1項)
起 算 点|権利を行使できる時から進行(民法166条)
援  用|主張しなければ効力が生じない(民法145条)
更  新|裁判・承認等でリセット(民法147条・152条)

通信債権の場合、時効期間の5年については、最終支払日よりも強制解約日が後に来る可能性があるため、時効の計算をする上では注意が必要です。(一般的には、2-3ヶ月延滞が続くと、強制解約となるケースが多いように思います。)

このほか、時効をリセットさせる効果のある裁判や債務承認(窓口や電話、書面などで債務があることを前提に支払相談、合意、和解、支払をすることを指します)の事実がなければ、時効が成立している可能性が高いと判断することができます。

解決

当事務所ではまず取引履歴を精査し、最終支払時期を確認したところ、ニッテレ回収から請求を受けている携帯端末の割賦代金については時効の要件を満たしていることが明らかになりました。

これを受け、内容証明郵便にて消滅時効を援用したところ、支払義務は消滅し、今後の一切の請求がないことを確認し、解決に至りました。

並行して、ソフトバンクに通信料の未払いの状況を確認したところ、その存在が明らかになりました。

どのように処理を進めるか相談者と協議した結果、未払い額が少額であったことから、ソフトバンクに残っていた通信料については支払って解決するに至りました。

状況としては時効の要件を満たすものでしたが、今後もソフトバンクで契約できる余地を残したかったという判断のようです。

通信債権も時効になることは述べたとおりですが、ライフラインである携帯電話の今後の契約に関わることでもあるので、安易な時効援用はリスクが伴う可能性があります。

判断に困った時は、専門家に相談することをお勧めします。

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    執筆者:司法書士 大塚勇輝
    アルスタ司法書士事務所 共同代表/大阪司法書士会所属


    1985年生まれ。父親の転勤により沖縄で生を受けるも、育ちはほぼ大阪一筋40年。 何故か小さい頃から周辺に法律問題が多く、公務員である父親への反発もあってか、大学卒業後もサラリーマンの道を選ばず司法の世界へ。 2010年司法書士試験合格。自称「個人の顧問法律専門家」。登記・成年後見業務に限らず、相続問題や借金問題など相談者の様々なニーズに応えることに注力している。

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