中央債権回収株式会社から「お支払についてのご提案」が届いたら

こんな相談がありました

40代男性の方から、【中央債権回収株式会社】より「お支払についてのご提案」という書面が届いたとのご相談をいただきました。

相談者の方は、

・昔、三菱UFJニコスのカードを使っていた記憶はあるものの、具体的な未払いの時期は覚えていない
・譲渡された旨の通知が届いたと思ったら、直ぐに減額の提案が来てかえって不審に思った

とのことでした。実際に届いていた書面は以下の内容です。
(※以下原文そのまま)

【お支払についてのご提案】

貴殿と三菱UFJニコス株式会社間のクレジットに基づく債権につきまして、現債権者で有ります弊社から下記のご提案をさせて頂きます。
早期解決に向けまして、話し合いの機会を頂きたいと考えておりますので、誠にお手数とは存じますが、この機会を逸する事なく是非ご相談ください、御連絡をお待ち申し上げます。
ご提案としては【A:残金一部免除にて完済『終結』、B:分割希望額にて対応】を考えています。

①ご提案
A:一括返済または短期分割返済
 ※免除による減縮にて完済(債務終結)
 〇社内審査の必要あり

B:定期返済の設定
※現況確認の内容に応じて適正金額で設定させて頂きます。

◎上記ご提案には『期限』がございますのでご注意ください。
受付期限:2026年x月x日

【連絡先】
中央債権回収株式会社(債権回収業許可番号 法務大臣第37号)
電話番号06-4797-5777 FAX番号06-4797-5020
担当者名 特A係

②現況確認 生活環境・収入の増減変化に伴う相談等
③相談内容を元にご不明点やご不安の解消

より良い解決方法を考えましょう

中央債権回収からの請求には一定の流れがあります。
① 債権譲渡通知書
② お支払についてのご提案
③ 訪問予告通知

今回の書面はこのうち②の段階にあたります。

ここで重要なのは、具体的な請求金額や割引率が一切記載されていない点です。

つまり、
・いくら減額されるのか不明
・元金がいくらなのか不明
・いつの未払いなのか不明

という状態で「とにかく連絡してください」と促しているにすぎません。

このような場合、安易に連絡・交渉をしてしまうこと自体が大きなリスクとなります。

特に、三菱UFJニコスから中央債権回収へ譲渡されている債権の多くは、クレジットカード、ショッピング分割、リボ払いなど、取引の種類に関わらず、既に時効の要件を満たしている可能性があるため、

連絡・交渉の事実は成立した時効をリセットさせ、新たに支払義務を発生させることになりかねません。



重要なポイント

①時効の要件(条文)

消滅時効は以下のルールで判断されます。

要件内容根拠条文
時効期間債権は原則5年民法166条1項
起算点権利を行使できる時から進行民法166条
援用主張しなければ効力が生じない民法145条
更新裁判・承認等でリセット民法147条・152条

つまり、
・最後の支払から5年以上
・裁判をされていない
・債務承認をしていない

この条件を満たせば、時効の可能性が高いといえます。

②減額提案=時効の可能性を示唆するケース

今回のように、「一部免除」「分割相談」といった提案が来ている場合、満額回収が困難と判断されている可能性があります。

中央債権回収の場合、そもそも古い債権、長期間放置された債権を扱うことが多いため、時効にかかっている可能性のある案件も少なくありません。

③内訳不明の請求は要注意

中央債権回収の書面は、元金・利息・損害金の内訳が記載されていないケースが多く、さらに、いつの未払いなのかも明示されていないことが少なくありません。

そのため、三菱UFJニコスのカードを使っていたとして、いつ頃の契約か、どの取引かについて、ほぼ記憶に頼らざるを得ない状況になります。

解決

今回の相談内容を整理しますと、

・具体的な取引時期が不明
・ただし、少なくとも直近5年は支払いも連絡もしていない
・裁判所から書類が届いたことはない

という状況でした。消滅時効が成立している可能性を考えた当事務所は、取引履歴を債権者から取り寄せ、これを精査したところ、問題なく消滅時効の要件を満たしていることが明らかになったため、内容証明郵便にて消滅時効を援用しました。

結果として、中央債権回収からの請求は停止し、その後の支払義務は全て消滅しました。

中央債権回収からの請求は、短期の間に債権譲渡通知、減額提案、訪問予告、法的手続予告通知と段階的に強まっていきますが、いずれの段階でも時効が成立していれば支払う必要はありません。

また、本件のように金額不明、内訳不明、時期不明、という請求については、安易に連絡をすることで時効の利益を失うリスクの方が大きいといえるため注意が必要です。

三菱UFJニコスの債権は古いものが多く、すでに時効の要件を満たしているケースも少なくありません。たとえ詳細を覚えていなくても、自己判断で連絡するのではなく、先ずは専門家に相談することが重要だと言えます。

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    執筆者:司法書士 大塚勇輝
    アルスタ司法書士事務所 共同代表/大阪司法書士会所属


    1985年生まれ。父親の転勤により沖縄で生を受けるも、育ちはほぼ大阪一筋40年。 何故か小さい頃から周辺に法律問題が多く、公務員である父親への反発もあってか、大学卒業後もサラリーマンの道を選ばず司法の世界へ。 2010年司法書士試験合格。自称「個人の顧問法律専門家」。登記・成年後見業務に限らず、相続問題や借金問題など相談者の様々なニーズに応えることに注力している。

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