トラスト弁護士法人から受任通知書が届いたら

こんな相談がありました

40代男性の方から、【トラスト弁護士法人】名義で「受任通知書」が届いたとのご相談をいただきました。

通知書には、れいわクレジット管理株式会社から未払金に関する債権管理業務の委託を受けた旨と、支払い解決に向けた相談のため連絡をするよう求める記載がありました。

また、相談者の方は、「弁護士から通知や訪問がある以上、放置するとすぐに裁判になるのではないか」と強い不安を感じ、当事務所へ相談に来られました。

より良い解決方法を考えましょう

今回届いた受任通知書には、次のような内容が記載されていました。

・受任者 トラスト弁護士法人
・債権者 れいわクレジット管理株式会社
(旧社名:MUニコス・クレジット株式会社)
・三菱UFJニコス株式会社から分割した会社であること
・利用残高合計 80万円
・【ご相談・お問い合わせ先】として記載されている連絡窓口

 → れいわクレジット管理株式会社

この通知書を見ると、「弁護士法人から請求されている」という印象を受けがちですが、実際の連絡窓口は、あくまでれいわクレジット管理株式会社に一本化されています。

この点から分かるとおり、弁護士からの通知であっても、それ自体が直ちに裁判や差押えを意味するものではなく、あくまで連絡を取るための一つの手段にすぎないので、過度に恐れる必要はありません。

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★窓口が一本化されている意味

本件では、通知書の差出人はトラスト弁護士法人ですが、

・相談先
・問い合わせ先
・実際の対応窓口

はいずれも、れいわクレジット管理株式会社と明記されています。

これは、仮にこちら側で弁護士や司法書士に依頼し、正式に受任通知を送付した場合であっても、相手方の窓口はトラスト弁護士法人ではなく、れいわクレジット管理株式会社になることを意味します。

つまり、「弁護士法人から通知が来た=弁護士との間で話が進む」という構造ではなく、あくまで債権者れいわクレジット管理株式会社が主体となって対応する案件だということが分かります。

★なぜ未払い債権の詳細が記載されていないのか

今回の受任通知書には、「利用残高合計」は記載されているものの、

・契約日
・最終支払日
・取引内容の詳細

といった具体的な情報は記載されていません。

このように、債権の詳細をあえて記載しない通知書は珍しくありません

その理由は、受領者に「詳細を確認するために連絡をさせる」ことを目的とした、連絡誘導の手段である場合が多いためです。

しかし、詳細が分からないからといって、慌てて電話をする必要はありません。むしろ、電話をしてしまうことで、思わぬ不利益が生じる可能性があります。

★消滅時効との関係で注意すべき点

受任通知書には「ご相談ください」「ご連絡ください」と記載されていますが、連絡をする法的義務はありません。

電話や面談で、

・支払いの意思を示す
・分割や猶予について相談する

等の発言をしてしまうと、債務を認めた(承認した)と評価され、消滅時効を主張できなくなる可能性があります。

特に、長期間支払いをしていない場合には、消滅時効が成立している可能性も十分に考えられます。

そのため、詳細を聞く目的で安易に連絡を取ることは、慎重であるべきです。

解決

取引履歴や裁判履歴の有無を確認した結果、時効の完成を妨げる事情は認められませんでした。そこで、内容証明郵便にて、れいわクレジット管理株式会社に対し、消滅時効を正式に援用しました。

その結果、支払義務消滅を確認し、今後の請求や連絡は行わない旨の回答を得て、無事解決となりました。

弁護士から通知や訪問があったとしても、それは「連絡を取るための一手段」にすぎない場合も多く、過度に恐れる必要はありません。

まずは冷静に、消滅時効が成立している可能性がないかを検討することが重要です。

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アルスタ司法書士事務所
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    執筆者:司法書士 大塚勇輝
    アルスタ司法書士事務所 共同代表/大阪司法書士会所属


    1985年生まれ。父親の転勤により沖縄で生を受けるも、育ちはほぼ大阪一筋40年。 何故か小さい頃から周辺に法律問題が多く、公務員である父親への反発もあってか、大学卒業後もサラリーマンの道を選ばず司法の世界へ。 2010年司法書士試験合格。自称「個人の顧問法律専門家」。登記・成年後見業務に限らず、相続問題や借金問題など相談者の様々なニーズに応えることに注力している。

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