
プロミスから「ご通知」が届いた方へ~古い債務は消滅時効の可能性も・アビリオ債権回収への譲渡にも注意
【SMBCコンシューマーファイナンス株式会社(プロミス)】から古い借入について「ご通知」などの請求書が届いたものの、「もう何年も支払っていない」「今さらどうすればいいのか分からない」と困っていませんか?
プロミスは長年にわたり個人向け融資を行っている大手消費者金融ですが、古い債権については、【アビリオ債権回収株式会社】へ債権譲渡され、今度はアビリオ債権回収から請求を受けるケースもあります。
そのため、プロミスから請求が届いた段階だけでなく、「この債務は時効になっているのではないか」と考えられる場合には、信用情報への影響も踏まえ、早めに対応を検討することが重要です。
特に、時効が完成しているにもかかわらず、そのまま放置していると、後になって債権譲渡などによって請求主体が変わり、対応すべき相手が変わることがあります。
こんな相談がありました
40代男性の方から、【SMBCコンシューマーファイナンス株式会社(プロミス)】から<ご通知>というタイトルの請求書が届いたとのご相談をいただきました。
差出人について確認したところ、東京都江東区の住所から個人名で書面が届いているとのことでした。
プロミスからの借入自体には心当たりがあるものの、かなり以前から支払いをしていないため、「今さら請求されても、どう対応したらいいのか分からない」ということでのご相談でした。
まず、プロミスについて確認しておきましょう。
「プロミス」という名称は、現在では消費者金融サービスを提供する際のブランド名(旧社名)であり、会社の正式名称は【SMBCコンシューマーファイナンス株式会社】です。
同社はSMBCグループに属しており、現在もプロミスブランドで個人向け融資を行っています。
また、プロミスはこれまでに複数の会社との合併・事業承継等を行っているため、過去に、
・株式会社シンコウ
・東和商事株式会社
・株式会社リッチ
・株式会社ぷらっと
・株式会社クラヴィス
・サンライフ株式会社
・三洋信販株式会社
・アットローン株式会社
などを利用していた方についても、その後の債権関係によってプロミスやSMBCコンシューマーファイナンスから請求を受ける可能性があります。
さらに、プロミスは自社で貸付を行うだけではなく、銀行カードローン等について保証業務を行うこともあります。
つまり、「プロミスから借りた覚えがない」という場合でも、過去の契約関係を確認しなければ、本当に無関係な請求なのかどうかは判断できません。
そして、もう一つ注意しておきたいのが【アビリオ債権回収株式会社】です。
プロミスの古い債権については、アビリオ債権回収株式会社へ債権譲渡されるケースがあります。
その場合、それまでプロミスから届いていた請求が、今度はアビリオ債権回収から届くようになることがあります。
したがって、プロミスから請求が届いている段階だからこそ、現在の債務状況だけではなく、「このまま債権譲渡された場合にどうなるのか」という点まで考えておく必要があります。
より良い解決方法を考えましょう
今回届いた書面には、次のような記載がありました。
【請求内容】
・会員番号 xxxx-xxxxx
・契約番号 xxxx-xxxxx-xx-xx-x
・期限の利益喪失日 平成15年5月
・元金残高 46万円
・遅延利息 262万円
・不足金 9万円
・裁判所名 xx簡易裁判所
・事件番号 平成15年(ノ)第xxxx号
・合計 320万円
・今回請求額 320万円
(うち、元金充当:46万円)
※不足金には、和解時確定利息を含みます。
さらに、プロミスからの書面には、
・最終借入日 平成14年9月
・最終借入後残高 46万円
・最終契約日 平成14年9月
・借入利率 0.00%
・遅延利率 26.280%
・最終入金日 平成15年10月
などの記載もありました。
ここで重要なのは、過去に裁判所の手続が行われていることが書面上明らかになっている点です。
平成15年の事件番号に「(ノ)」との記載があることから、調停事件であることが確認できます。
したがって、単純に「平成15年から支払っていないから5年経過している。だから時効」と判断することはできません。
過去に裁判上の手続が行われ、その結果として権利が確定している場合には、その後の消滅時効については原則として10年という期間が問題になります。
今回のようなケースでは、
平成15年に調停
↓
その後、平成15年10月まで支払い
↓
以後、長期間支払いなし
という流れを確認する必要があります。
■遅延損害金から未払い期間を確認する
今回の書面では、元金46万円に対して遅延利息が262万円とかなり大きな金額になっています。
遅延利率は26.280%ですから、46万円 × 26.280% ≒ 約12万円
となり、単純計算では1年間で約12万円の遅延損害金が発生することになります。
そして、
262万円 ÷ 約12万円 ≒ 約22年となります。
もちろん、実際の損害金計算は契約内容や入金状況などによって異なるため、この計算だけで正確な未払い期間を確定することはできません。
しかし、少なくとも書面上の数字から見ても、極めて長期間にわたって支払いが行われていない債務であることは確認できます。
ここまで古い債務であれば、次に確認すべきなのは当然、消滅時効が完成していないかどうかです。
■消滅時効の考え方
消滅時効は、一定期間が経過したことだけで自動的に債務が消える制度ではありません。
また、過去に裁判や調停等があった場合には、通常のクレジット債権とは異なる期間を確認する必要があります。
一般的なクレジット債権については、次のような事情が重要になります。
[通常の消滅時効のチェックポイント]
① 最終支払から5年以上経過している
② その間に裁判・支払督促等によって時効の完成が妨げられていない
③ 債務を承認するような支払・約束・やり取りをしていない
一方、裁判上の和解や調停などによって権利が確定している場合には、確定した権利について10年の時効期間が問題となります。
したがって、今回のように平成15年に調停が行われていた場合には、調停成立後の支払状況と、その後10年以上にわたって新たな裁判・強制執行等がなかったかを確認する必要があります。
■裁判があったら、もう時効にならない?
これは誤解されやすいところです。
「昔、裁判を起こされているから、もう永久に時効にならない」
というわけではありません。
確定判決や裁判上の和解などによって権利が確定した場合でも、その後一定期間が経過すれば、再び消滅時効が問題になることがあります。
ただし、裁判等によって債務名義が取得されている場合には、債権者側が強制執行を行える状態になっています。
つまり、「裁判前の古い借金」と「裁判で確定した古い借金」では、同じ「長期間支払っていない債務」でもリスクが大きく異なります。
そのため、裁判後の時効については、
・最後の裁判等がいつだったのか
・最後の支払はいつだったのか
・強制執行が行われていないか
・財産開示手続等が行われていないか
・その後に債務を承認していないか
といった点を一つずつ確認する必要があります。
重要なポイント
今回のような古いプロミスの債務では、「今まで請求されていなかったから、このまま放っておけばいい」と考えないことが重要です。
特に注意したいのが、先ほど説明した【アビリオ債権回収株式会社への債権譲渡】です。
プロミスが保有している古い債権の中には、アビリオ債権回収へ譲渡されるものがあります。
債権譲渡そのものによって、既に完成している消滅時効が当然にリセットされるわけではありません。
しかし、債権者が変われば、請求主体も変わります。
そして、信用情報についても、債権の管理・登録状況が変化する可能性があります。
■信用情報の問題にも注意
消滅時効の要件を満たしているのであれば、「いつ援用するか」も重要な問題になります。
特にプロミスの場合、古い不良債権がアビリオ債権回収へ譲渡されることがあります。
そのため、「時効になっているかもしれないけれど、しばらく放っておこう」と考えている間に債権譲渡が行われ、今度はアビリオ債権回収から請求を受けることがあります。
また、信用情報に関しては、債権譲渡や延滞情報等がどのように登録・更新されるかという問題があります。
時効が完成しているのであれば、単に請求を無視し続けるのではなく、早い段階で時効援用の手続きを検討することをおすすめします。
これは、「アビリオ債権回収へ譲渡されると時効がリセットされる」という意味ではありません。
むしろ、既に時効を主張できる状態にあるのであれば、債権譲渡を待つ必要性はありません。
早めに時効援用を行い、債務関係を確定的に整理することが、信用情報を含めたその後の問題を長引かせないためにも重要です。
また、時効が完成しているかどうか分からない状態で、
・一部だけ支払う
・分割払いを申し込む
・支払う意思があると伝える
・「いつまで待ってもらえますか」と相談する
といった行為をすることは避けた方がよい場合があります。
具体的な事情によっては債務承認と評価され、時効の完成に影響する可能性があるためです。
■プロミスの古い債務で特に確認したいこと
プロミスから古い請求が届いた場合、単純に「最後に払ったのは何年前か」だけを見るのでは足りません。
次のような順番で確認していくと、状況を整理しやすくなります。
① 最終支払日を確認する
最後に実際に支払いをした日を確認します。
② 期限の利益喪失日を確認する
書面に記載されている場合には、時効の起算点を検討する重要な情報になります。
③ 過去の裁判・調停等を確認する
事件番号や裁判所名が記載されている場合には、裁判等の内容を確認する必要があります。
④ その後の支払いを確認する
裁判や調停があった場合、その後にいつまで支払っていたのかが重要です。
⑤ 強制執行・財産開示等の有無を確認する
裁判後の時効を検討する場合には、これらの手続の有無も確認が必要です。
⑥ 債務承認の有無を確認する
長期間支払っていなくても、その後に電話で支払いを約束したり、一部を支払ったりしている場合には、時効の判断に影響する可能性があります。
解決
今回の相談では、プロミスから届いた書面に平成15年の調停事件が記載されていたため、単純な5年の消滅時効として処理することはできませんでした。
そこで、当事務所が代理人としてプロミスから取引履歴等を取り寄せ、調停事件の内容、その後の支払状況、強制執行や新たな裁判等の有無について確認しました。
その結果、平成15年の調停成立後、平成15年10月まで支払いが行われていたものの、それ以降は長期間にわたって支払いがなく、その後に時効を更新させるような新たな裁判・強制執行等も確認されませんでした。
そこで、裁判等によって確定した権利についても、その後の期間経過により消滅時効を主張できる状態になっていると判断し、内容証明郵便をもって消滅時効を援用しました。
その結果、今後の請求・督促がないことをプロミスの担当者に確認し、支払義務がないことを証する書面も取得することができ、無事に解決となりました。
今回のように、「20年以上前の借入だから、もうどうにもならない」わけではありません。
過去に裁判や調停があったとしても、その後の期間や支払状況によっては、消滅時効を検討できる場合があります。
そして、プロミスの古い債務については、アビリオ債権回収への債権譲渡という問題もあります。
すでに時効の要件を満たしているなら、債権譲渡を待つのではなく、早めに時効援用を検討することが重要です。
●チェックポイント
プロミスから古い借入について請求を受けた場合は、次の項目を確認してください。
□ プロミスから古い「ご通知」「請求書」が届いた
□ 5年以上、支払いをしていない
□ 最終支払日がかなり前になっている
□ 「期限の利益喪失日」が古い
□ 過去に裁判・調停・支払督促があったか分からない
□ 裁判後も長期間支払いをしていない
□ 裁判後に強制執行や差押えを受けた記憶がない
□ 長期間、プロミスと電話や対面でやり取りしていない
□ アビリオ債権回収から請求が来ることを心配している
□ 信用情報への影響が気になっている
□ 時効が完成しているのであれば、早めに解決したい
特に、すでに時効の要件を満たしている可能性が高い場合には、請求を放置するだけではなく、債権譲渡や信用情報の問題も含めて早めに対応を検討しましょう。
●Q&A
Q.プロミスと契約したことは覚えていますが、20年以上前の借金でも請求されますか?
A.請求されることはあります。
古い債務であっても、裁判等によって権利が確定していたり、時効が完成していなかったりすれば、現在でも請求を受ける可能性があります。
一方で、長期間支払いがなく、必要な期間が経過している場合には、消滅時効を検討できる可能性があります。
Q.プロミスの古い債権がアビリオ債権回収に譲渡されることはありますか?
A.あります。
プロミスが保有する古い債権について、アビリオ債権回収株式会社へ債権譲渡されるケースがあります。
そのため、プロミスから請求を受けている段階で時効の可能性があるのであれば、債権譲渡後まで何もせず待つ必要はありません。
Q.アビリオ債権回収へ債権譲渡されたら、時効がリセットされますか?
A.債権譲渡そのものによって、当然に消滅時効がリセットされるわけではありません。
ただし、債権譲渡によって請求主体が変わるため、古い債務について新たな請求を受けることになります。
すでに時効を主張できる状態なのであれば、債権譲渡を待たず、早めに時効援用を検討することが重要です。
Q.信用情報が気になる場合、時効援用は早くした方がいいですか?
A.時効の要件を満たしているのであれば、早めに手続きを検討することをおすすめします。
プロミスの古い債権はアビリオ債権回収へ譲渡されることがあり、債権者が変わることで信用情報の登録状況なども変わってくることになります。
ただし、「時効援用をすればその場ですべての信用情報が消える」という意味ではありません。信用情報の登録・更新・削除については、各信用情報機関や登録会社のルールによって異なります。
Q.過去に裁判や調停があったら、もう時効にはなりませんか?
A.そうとは限りません。
裁判等によって権利が確定した場合には、その後の消滅時効について10年が問題となります。
そのため、裁判等があったことだけで永久に時効にならないわけではありません。
ただし、裁判後の強制執行や新たな手続等の有無によって判断が変わるため、個別に確認する必要があります。
Q.時効かどうか分からない状態でプロミスに電話しても大丈夫ですか?
A.時効の可能性があるのであれば、先に確認することをおすすめします。
電話で支払いを約束したり、一部を支払ったり、債務の存在を認めるような対応をした場合、具体的な事情によっては時効の完成に影響する可能性があります。
まずは請求書や過去の取引状況を確認しましょう。
Q.「ご通知」に裁判所名や事件番号が書かれています。これはどういう意味ですか?
A.過去に裁判・調停等が行われた可能性が高いため、その内容を確認する必要があります。
今回のように事件番号や裁判所名が記載されている場合には、単純に「5年以上支払っていないから時効」と判断することはできません。
裁判等がいつ確定し、その後いつまで支払っていたのか、さらにその後に強制執行等がなかったかを確認する必要があります。
●会社概要
【SMBCコンシューマーファイナンス株式会社】
・商号:SMBCコンシューマーファイナンス株式会社
・ブランド名:プロミス
・主な事業:消費者向け貸付、信用保証等
【アビリオ債権回収株式会社】
・商号:アビリオ債権回収株式会社
・事業内容:特定金銭債権の管理・回収等
・貸金業者等から譲渡・委託を受けた債権の管理・回収を行っています。
※実際にどの会社が現在の債権者となっているか、債権譲渡が行われているかについては、届いた書面の記載を確認する必要があります。
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執筆者:司法書士 野間知洋
アルスタ司法書士事務所 共同代表/大阪司法書士会所属
前職は某中小消費者金融に勤務。債務整理に関しては債務者側・債権者側双方で通算20年以上の経験を有する。
現在は権利擁護(成年後見等)に注力。
☆借金問題の解決歴15年以上の司法書士が対応!アルスタ司法書士事務所は、時効援用の相談実績30,000件を突破し、着手金0円でサポートする専門事務所です。
