
中央債権回収からご案内が届いたら
こんな相談がありました
50代男性の方から、【中央債権回収株式会社】名義の「ご案内」と題する通知書が届いたとのご相談をいただきました。
以前からこの中央債権回収から請求書面が届いていたようですが、ネットで調べてみると「このまま放置すると裁判になるのではないか」「差押えを受けるのではないか」と不安に思い、当事務所へ相談に来られました。
実際に届いていた通知書の内容は、次のとおりです。
【ご案内】
前略、先に貴殿へご通知差し上げておりますとおり、貴殿と三菱UFJニコス株式会社間のクレジット契約に基づく債権は、当社『中央債権回収株式会社』が譲り受け、今後の当該契約残金における管理回収は、当社が執り行っております。
つきましては、下記期限までに、残債務を一括返済して頂きたく、ご通知致します。もし、期限までにお支払いがご無理な場合や一括返済が困難な場合等は、下記当社担当までご連絡頂けますようお願い申し上げます。
尚、本書到達と入れ違いでご連絡・ご入金頂いた場合は、ご容赦の程お願い致します。草々
令和x年x月x日
[請求金額]
元 金 1000000円
利 息 100000円
損害金 1000000円
費 用 0円
合 計 2100000円
※損害金は、令和x年x月x日付けの金額となります。
[お支払期限]令和x年x月x日迄にお支払い下さい。
上記お支払期限までにお支払いできない場合は必ずご連絡ください。
[振込先]
GMOあおぞらネット銀行 イコイ支店 普通口座 2161xxx
口座名義 中央債権回収株式会社
[通知人]
大阪府大阪市北区梅田1丁目11番4号900 大阪駅前第4ビル901号
中央債権回収株式会社(債権回収業許可番号 法務大臣 第37号)
※本通知書のお問い合わせ、ご連絡等は下記にお願い致します。
TEL 06-4797-5777 FAX 06-4797-5020
【会社概要】
・会社名:中央債権回収株式会社
・代表者:代表取締役 堀之内 健
・本店所在地:東京都中央区晴海3丁目12番1号
・大阪支店所在地:大阪市北区梅田1丁目11番4号900
大阪駅前第4ビル9階901号
・電話番号:06-4797-5777/06-6136-7235
・FAX番号:06-4797-5020
・許可番号:法務大臣許可第37号
・関係法律事務所:弁護士法人日本橋さくら法律事務所、弁護士法人駿河台法律事務所
追加連絡先(電話番号等)
・06-4300-4477(固定電話・大阪支店関連として利用情報あり)
・0570-000-846(ナビダイヤル・督促用としての使用報告あり)
・0570-000-869(ナビダイヤル・債権回収関連番号として情報あり)
・03-5547-2091(東京都内固定電話)
・080-2385-2749(携帯番号・電話およびSMS連絡に使用される可能性あり)
【SMS(ショートメッセージ)について】
中央債権回収株式会社では、債権管理回収業務における連絡手段の一つとしてSMSを利用する場合がある旨が公式に案内されていますが、SMS専用番号は公表されていません。
【補足】
中央債権回収株式会社は、法務大臣の許可を受けた債権管理回収業者(サービサー)で、金融機関や信販会社等から譲渡された債権の管理・回収業務を行っています。通知書や電話、SMSによる連絡では、支店名や担当部署、関与する法律事務所名が記載されることがあります。
※ 実際に使用される電話番号や連絡方法は案件ごとに異なる場合があります。
※ 書面に記載された正式な連絡先と照合して確認することが重要です。
より良い解決方法を考えましょう
上記通知書を見ると、
「一括返済を求める」、「期限までに支払えない場合は必ず連絡するように」
と強い文言が並んでいます。
しかし、この通知書はあくまで、債権譲受後の管理回収を行っていることを知らせ、連絡を取らせるための書面にすぎません。迂闊に連絡をしてしまっては思わぬデメリットが生じてしまう可能性があるので、先ずは通知書の内容を確認していきましょう。
今回の請求金額で特に注目すべき点は、次の内訳です。
・元金 100万円
・利息 10万円
・損害金 100万円
一般的なクレジット債務の遅延損害金は、年率15~20%前後です。
この水準で計算した場合、損害金が元金と同額近くに達するまでには、相当長期間の未払いが必要となります。
つまり、この金額構成自体が、少なくとも5年以上、支払いが行われていない可能性が高いことを示していると言えます。
重要なポイント
■消滅時効の要件
クレジット債権について消滅時効が成立するためには、一般的に次の要件を満たす必要があります。
① 5年以上支払いをしていない
② 過去に裁判(訴訟・支払督促など)を起こされていない
③ 5年以内に債権者や回収会社と直接、電話等で話をしていない
今回のケースでは、請求金額の内訳から①を満たす可能性が高く、あとは②③を検討することが重要となります。
★この通知書で、時効が止まることはありません
中央債権回収株式会社からの「ご案内」や請求通知は、それ自体で時効の完成猶予や更新が生じるものではありません。
民法147条が定めるのは、裁判上の請求、支払督促、強制執行など、裁判所を通じた正式な法的手続きに限られます。
ところで、この裁判上の請求や支払督促については、適法な送達が行われてはじめて時効更新(旧中断)などの法的効力が生じます。
送達は裁判所が行い、主に以下の方法があります。
■送達方法
・通常送達(民訴法99条)
郵便配達員が住所または就業場所に直接交付。最も原則的な方法。
・補充送達(民訴法106条)
本人不在時、同居の家族や就業場所の従業員等に交付。
・付郵便送達(民訴法107条)
受領拒否が疑われる場合に利用。発送時点で届いたものとみなす。
・公示送達(民訴法110条)※支払督促は除く
住所不明などの場合、掲示により送達とみなす最終手段。
したがって、“裁判所から書類が届いたことはない”という認識だけをもって、実際に裁判上の請求などがなかったと断定することはできないケースがあることに注意が必要です。
解決
中央債権回収株式会社から取引履歴を取り寄せ、裁判履歴を確認した結果、本件では長期間にわたり支払いが行われておらず、時効の完成を妨げる事情も認められませんでした。
そこで、内容証明郵便をもって、中央債権回収株式会社に対し、消滅時効を正式に援用しました。
その結果、支払義務が消滅したことが確認され、今後の請求は行わない旨の回答を得て、無事解決に至りました。
まとめ
中央債権回収株式会社から届く「ご案内」は、強い文言が使われていても、請求金額の内訳を冷静に確認することで、消滅時効が成立している可能性が見えてくるケースが多くあります。
特に、損害金が元金と同額近くまで膨らんでいる場合や、長年支払いの記憶がないという場合には、慌てて連絡をする前に、時効の成立を慎重に検討することが重要です。
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事務所概要
アルスタ司法書士事務所
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お問い合わせ
執筆者:司法書士 野間知洋
アルスタ司法書士事務所 共同代表/大阪司法書士会所属
前職は某中小消費者金融に勤務。債務整理に関しては債務者側・債権者側双方で通算20年以上の経験を有する。 現在は権利擁護(成年後見等)に注力。
