
ジャパントラスト債権回収から訴訟等申立予告通知が届いたら
目次
こんな相談がありました
40代男性の方から、【ジャパントラスト債権回収株式会社】名義の「訴訟等申立予告通知」が届いたとのご相談をいただきました。
通知書には、「裁判所へ訴訟等の申立を準備中」「社会的信用の喪失や経済的不利益に繋がる」といった強い表現が使われており、相談者は「このまま放置すると本当に裁判になるのではないか」「勤務先や家族に影響が出るのではないか」と強い不安を感じているようです。
また、電気通信サービスに関する契約内容についても記載されていたのでこれについてお伺いしたところ、「昔のインターネット契約のことかもしれないが、正直よく覚えていない」といった状況でした。
実際に届いていた通知書の内容は、次のとおりです。
(※以下、原文ママ)
問合せ番号 *****
担当 松村 清志
【譲渡人会社】
ライフティ株式会社
東京都新宿区新宿6丁目27番56号 新宿スクエア6階
【譲受人会社】
ジャパントラスト債権回収株式会社
東京都豊島区巣鴨3-36-6 共同計画ビル5階
TEL:03-5579-2612
訴訟等申立予告通知
前略 当社は下記債権を譲り受け、先般からそのお支払についてご通知申し上げましたが、いまだお支払いを確認できません。よって不本意ではありますが、現在裁判所へ訴訟等の申立を準備中です。訴訟等の提起は、貴社の社会的信用の喪失や種々の経済的不利益に繋がります。これは、当社の望むところではなく、むしろ円満に解決したいと願っております。つきましては、下記期日までに請求総額をお支払い下さるようお願いいたします。
本状と行き違いにお支払いの節は、何卒ご容赦願います。
なお、ご不明の点及びご相談がございましたら、当社担当までご一報ください。 草々
当社は、「債権管理回収業に関する特別措置法(通称:サービサー法)」に基づき譲受債権の請求業務を行うものです。
請求総額 11万円
支払期日 令和x年x月x日
債権の表示
契約者 xxxx
原債権者 株式会社Hi-Bit
契約日 平成24年6月
債権種別 売掛債権
頭金 0円
初回支払金額 0円
毎月支払金額 0円
契約期間 0回
総返済予定額 78000円
商品① Toppa!プレミアムコース プレミアムエース xxxx~xxxx利用分
期限の利益喪失日 平成30年10月
元本残高 78000円
遅延損害金 32000円
解約違約金 0円
【計算日 令和x年x月x日現在】
請求総額 11万円
また、この通知に関するお問合せは、下記にお願い致します。
記
【お問合せ先】
ジャパントラスト債権回収株式会社(法務大臣許可番号100号)
〒170-0002 東京都豊島区巣鴨3-36-6共同計画ビル5階
TEL:03-5579-2612 FAX:03-5579-2620
担当 松村 清志
【お振込先】
銀行名:GMOあおぞらネット銀行
支店名:ひざし支店
口座番号:普通 1327677
口座名義人:ジャパントラスト債権回収株式会社
■会社概要
・会社名:ジャパントラスト債権回収株式会社
・本社所在地:東京都豊島区巣鴨3丁目36番6号 共同計画ビル5階
・本社TEL:03-5579-2611
・督促番号例:03-5579-2612、03-5579-2613、03-5579-2617、050-3164-6083 050-3164-3466、050-3606-5466(SMS)、050-3648-9951(SMS)
・担当者例:大橋敏明、松村清志、石川尚毅、皆川勇太、阿部滋、山本悟、市川秀雄、
【補足】
ジャパントラスト債権回収株式会社は、法務大臣の許可を受けたサービサー(債権管理回収会社)です。(法務大臣許可番号第100号)
主にグループ会社である株式会社ビジネスパートナーやライフティ株式会社から譲渡を受けた債権について、督促・回収を行っています。
より良い解決方法を考えましょう
ジャパントラスト債権回収株式会社は、サービサー法に基づく債権回収会社で、グループ会社や関連会社から、電気通信事業(インターネット回線・通信サービス等)に関する債権の譲渡を多く受けているという特徴があります。
今回の通知でも、
・原債権者:株式会社Hi-Bit
・商品名:Toppa!プレミアムコース
といった、通信サービス特有の内容が記載されています。
「訴訟等申立予告」と書かれていると不安になりますが、この通知自体は裁判所を通じた正式な手続きではなく、あくまで任意回収の段階です。
まずは、消滅時効が成立している可能性がないかを冷静に検討しましょう。
重要なポイント
消滅時効を考える上で重要なのは、**期限の利益喪失日が「平成30年10月」**と記載されている点です。
この日を起点として5年以上が経過していれば、
・裁判を起こされていない
・債務を認める発言や支払いをしていない
という条件を満たす限り、消滅時効が完成している可能性があります。
また、「訴訟等申立予告通知」や請求書の送付だけで、時効が止まったり更新されたりすることはありません。
注意すべきは、不安から電話をしてしまい、「少しなら払える」「○○を理由に支払うことが出来ない」などの債務の存在を前提とした発言は、債務を承認したと評価されるリスクがある点です。
解決
本件について取引履歴や裁判履歴を確認したところ、時効の完成を妨げる事情は認められませんでした。
そこで、内容証明郵便をもって、ジャパントラスト債権回収株式会社に対し、消滅時効を正式に援用しました。
その結果、請求権が消滅したことが確認され、今後、請求や連絡を行わない旨の回答を得て、無事解決に至りました。
補足 ~ 電気通信系債権は、なぜ消滅時効になりやすいのか ~
ジャパントラスト債権回収株式会社から請求を受けるケースでは、インターネット回線やプロバイダ契約など、電気通信事業に係る債権が多く含まれています。
実務上、このような電気通信系債権は、他のクレジット債権等と比べても、消滅時効が成立しているケースが非常に多いという特徴があります。
その理由は、主に次の点にあります。
① 契約終了・解約後に放置されやすい
電気通信サービスは、引っ越し、回線切替、プロバイダ変更などをきっかけに、利用者側の意識から完全に抜け落ちやすい契約です。
特に、最終月の利用料、解約時の清算金、違約金や残債といった部分は、「もう使っていない」「解約したはず」という認識から、未払いのまま放置されやすくなります。
その結果、債務者本人が未払いに気づかないまま、長期間が経過するケースが少なくありません。
② 少額債権のため、裁判を起こされにくい
電気通信系債権の多くは、数万円~十数万円程度の比較的少額の請求です。
今回のように、元本7万8,000円、遅延損害金を含めても11万円といったケースでは、債権者側にとっても、早期に裁判を起こす経済的メリットが乏しいのが実情です。
そのため、裁判(訴訟・支払督促)を起こさない、結果として時効が更新されない、という状況が生じやすく、時効が完成するまで放置されることが多くなります。
③ 契約管理がグループ会社間で移動しやすい
電気通信事業では、サービス提供会社、販売代理店、関連会社、グループ内金融会社など、複数の会社が関与する契約形態が一般的です。
その結果、未払いが発生した後、グループ会社へ債権譲渡、さらにサービサーへ譲渡と、管理主体が何度も変わることがあります。
この過程で、裁判を起こすタイミングを逸したまま、時効期間だけが経過していくというケースが少なくありません。
ジャパントラスト債権回収株式会社が、グループ会社から電気通信系債権の譲渡を多く受けている点も、この構造と無関係ではないと言わざるを得ません。
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事務所概要
アルスタ司法書士事務所
お電話 0120-697-096
オフィシャル:https://alsta.jp/
お問い合わせ
執筆者:司法書士 大塚勇輝
アルスタ司法書士事務所 共同代表/大阪司法書士会所属
1985年生まれ。父親の転勤により沖縄で生を受けるも、育ちはほぼ大阪一筋40年。 何故か小さい頃から周辺に法律問題が多く、公務員である父親への反発もあってか、大学卒業後もサラリーマンの道を選ばず司法の世界へ。 2010年司法書士試験合格。自称「個人の顧問法律専門家」。登記・成年後見業務に限らず、相続問題や借金問題など相談者の様々なニーズに応えることに注力している。
