
引田法律事務所から催告書が届いたら
こんな相談がありました
40代男性の方から、【弁護士法人引田法律事務所】から<催告書>が届いたとのご相談をいただきました。
書面を確認したところ、【パルティール債権回収株式会社】なる会社が引田法律事務所に回収業務を委託し、同法律事務所が長期間返済をしていない債務について支払いを求める内容でした。
ところで、この引田法律事務所は、パルティール債権回収株式会社のほか、複数の債権回収会社・金融会社から依頼を受け、延滞債権や長期未回収債権の回収を行っている実在の法律事務所です。
ネットの評判を鵜吞みにし、「評価が低い法律事務所だから」などというよく分からない理由で、放っていたりすると取り返しのつかないことにもなりかねません。
幸い、相談者は聞いたこともない弁護士事務所から書面が届き、訴訟提起や差押えなどと記載がされていることに驚き、慌てて当事務所へご相談に来られたようでした。
より良い解決方法を考えましょう
引田法律事務所から届いた催告書には、当初の債権者、元金・利息・損害金、そして「支払の催告に係る債権の弁済期」などが記載されていました。
■譲受債権の内容
契約者:xxxx
原債権者:楽天カード株式会社 関東財務局長第01486号
譲渡人:楽天カード株式会社
譲受人:パルティール債権回収株式会社
債権Ⅰ
契約番号 RKCxx-4xxxxxxxxxxxxxx-01
契約年月日 2018年3月x日
譲受元金37000円 譲受利息0円 譲受損害金1600円
譲受金額合計38600円
支払の催告に係る債権の弁済期 2018年9月x日
当初契約金額3610円 債権種類 ショッピング(1回払い)
損害利率年14.600% 譲受金額基準日2018年8月x日 債権譲渡日2018年9月x日
債権Ⅱ
契約番号 RKCxx-4xxxxxxxxxxxxxx-02
契約年月日 2018年3月x日
譲受元金3400円 譲受利息40円 譲受損害金170円
譲受金額合計3610円
支払の催告に係る債権の弁済期 2018年9月x日
当初契約金額3610円 債権種類 ショッピング(リボルビング)
損害利率年14.600% 譲受金額基準日2018年8月x日 債権譲渡日2018年9月x日
債権Ⅲ
契約番号 RKCxx-5xxxxxxxxxxxxxx-01
契約年月日 2018年3月x日
譲受元金900円 譲受利息0円 譲受損害金50円
譲受金額合計950円
支払の催告に係る債権の弁済期 2018年9月x日
当初契約金額540円 債権種類 ショッピング(1回払い)
損害利率年14.600% 譲受金額基準日2018年8月x日 債権譲渡日2018年9月x日
債権ⅳ
契約番号 RKCxx-5xxxxxxxxxxxxxx-02
契約年月日 2018年3月x日
譲受元金194000円 譲受利息10800円 譲受損害金1500円 譲受金額合計206300円
支払の催告に係る債権の弁済期 2018年9月x日
当初契約金額972円 債権種類 ショッピング(リボルビング)
損害利率年14.600% 譲受金額基準日2018年8月x日 債権譲渡日2018年9月x日
もっとも、この弁済期は、必ずしも実際の最終支払日を示すものではなく、裁判が確定した日や、債権管理上の内部的な基準日が記載されているケースも少なくありません。
今回のケースでは、支払の催告に係る債権の弁済期は債権譲渡日と同日となっていることから、あくまで権管理上の内部的な基準日として記載されているものと捉えておけば良いでしょう。(本来の弁済期は、債権譲渡日以前であることが一般的です。)
相談者の話によると、そもそも楽天カード株式会社へ支払いをした記憶がないというお話でした。また、これまで楽天カード、パルティール債権回収、引田法律事務所のいずれにも連絡もしていないとのことでした。
さて、このような状況であれば、最初に検討すべきは「消滅時効が成立しているかどうか」ということになります。
重要なポイント
■消滅時効の要件
消滅時効とは、一定期間、債権者が権利を行使しなかった場合に、その権利を消滅させる制度です。
クレジットカード会社からの借入の場合、原則として次の要件を満たしていれば、消滅時効が成立している可能性があります。
① 5年以上、支払いをしていない
② 過去に裁判(訴訟・支払督促など)を起こされていない
③ 5年以内に債権者や代理人と直接、電話や面談等で連絡を取っていない
これらの要件を満たしている場合、消滅時効を「援用」することで、支払義務を消滅させることが可能です。
■時効の完成猶予・更新(旧:中断)について
時効は時間の経過とともに無条件に完成するわけではなく、時効の完成により利益を得る側からの主張が必要となり、また、「時効の完成猶予・更新」がなされている場合があるので注意が必要です。
民法147条では、裁判上の請求、支払督促、強制執行などがなされた場合、時効の完成が猶予され、確定により更新されると定められています。
また、民法152条では、債務の承認があった場合(例:一部弁済、支払を約束する発言など)にも、時効は更新されます。
具体的には、
・裁判所から特別送達で訴状や支払督促を受け取っている
・電話で「分割なら支払える」などと話してしまった
・少額でも支払いをした
このような事実がある場合、過去に未払いの期間が5年以上あったとしても、消滅時効を援用できなくなる可能性があります。
■原債権者について
今回の相談では、原債権者(当初の契約当事者を指します)が【楽天カード株式会社】ということでしたが、同様の事案では、以下のような会社が原債権者となっているケースも多く見受けられます。
・株式会社日本保証(旧武富士)
・新生フィナンシャル株式会社(レイク)
解決
取引履歴の開示や裁判履歴の有無を慎重に確認した結果、時効の完成を妨げる事情は認められませんでした。
そこで、内容証明郵便をもって、弁護士法人引田法律事務所およびパルティール債権回収株式会社に対し、消滅時効を正式に援用しました。その結果、支払義務が消滅したことが確認され、今後一切の請求や督促を行わない旨の回答を得て、無事解決に至りました。引田法律事務所や債権回収会社から突然通知が届いた場合でも、慌てて支払いや連絡をする前に、消滅時効の成立可能性を慎重に検討することが重要です。
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事務所概要
アルスタ司法書士事務所
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オフィシャル:https://alsta.jp/
お問い合わせ
執筆者:司法書士 野間知洋
アルスタ司法書士事務所 共同代表/大阪司法書士会所属
1980年生まれ。鹿児島出身、航海士を目指し高専高校に入学するも挫折。様々な職種を経験した後、縁あって金融業界に飛び込む。某街金の店長にまで昇進するも金融業界の構造ややり方に疑問を持ち、一転、司法の道を進む。 20xx年行政書士試験合格、2013年司法書士試験合格。座右の銘は、明日やろうは馬鹿野郎。自身の経験から主に借金問題及び高齢者に係るトラブル(相続、成年後見など)に注力している。「問題の解決を先延ばしにしても何も変わりません。できることは今日やりましょう!」