
引田法律事務所からご通知(受任通知同封)が届いたら
こんな相談がありました
50代男性の方から、【弁護士法人引田法律事務所】名義の「ご通知(受任通知同封)」が届いたとのご相談をいただきました。
通知には、パルティール債権回収株式会社の代理人弁護士として請求を行っている旨が記載されており、転居先にも通知が届いたことに恐怖を覚え、ご相談に来られたようです。
引田法律事務所は、
・パルティール債権回収株式会社
・株式会社日本保証(旧武富士)
など、複数の債権回収会社や金融系企業から委託を受けて請求を行うことがある法律事務所です。
さて、今回届いていた催告書は、以下のとおりです。
パルティール債権回収株式会社代理人
東京都中央区日本橋小網町6番7号 第2山万ビル3階
弁護士法人引田法律事務所 弁護士 引田紀之
ご通知(受任通知同封)
当職は、パルティール債権株式会社(以下、「通知会社」という。)の代理人弁護士として、貴殿(貴社)(以下、単に「貴殿ら」という)に対し通知いたします。
過日、当職において貴殿ら宛に受任通知を発送しておりますところ、現在に至るまで貴殿らとの間で話し合いによる解決に至っておりません。
今般、貴殿らの連絡先(住所)の変更に伴い、改めて、受任通知を同封させていただきます。
当職としましては貴殿らにも諸般のご事情がお有りと存じますので、お話合いによる解決が出来ればと考えております。ご相談は、弊所フリーダイヤルにおいて無料の専用窓口を開設しております。 つきましては、下記の回答期限までにフリーダイヤルへのご連絡、もしくは指定口座へご請求金額のお支払いをお願い申し上げます。
回答期限 xx年xx月xx日
ご請求金額 xx年xx月xx日時点
ご請求金額(残存債務)金106万円
内訳 元金63万円 利息2万円 損害金41万円 その他費用等0円
譲受債権の内容
契約者 xxxx
原契約年月日 2015年x月
当初契約金額 5000円
原契約の種別 ショッピング(リボルビング)
損害金率 14.600%
支払の催告に係る債権の弁済期 2020年x月
契約番号 xxxx
原債権者 楽天カード株式会社 関東財務局長第01486号
譲渡人 楽天カード株式会社
譲受人 パルティール債権回収株式会社
債権譲渡日 2020年x月
譲受金額基準日 2020年x月
ご返済口座
銀行名 三井住友銀行 支店名 渋谷駅前 口座種別 普通預金
口座番号 5263803 口座名義 パルティール債権回収株式会社
ご連絡先フリーダイヤル 0120-550-174
通話可能時間 平日(土日祝日を除く)9:00~18:00
※本書と入れ違いでのご連絡、あるいは現在の状況に変化がある場合等についてはご容赦願います。
※譲受利息、譲受損害金が0円もしくは損害利率0%と記載のある方につきましては、 債務名義取得または和解により債務残高が異なる場合がございますので、念のためお電話にてお問合せください。
■会社概要
商号:パルティール債権回収株式会社
設立:2007年8月23日
本社所在地:東京都渋谷区恵比寿4丁目20番3号(恵比寿ガーデンプレイスタワー5階)
代表者:代表取締役社長 朝倉 英雄氏
許可番号:法務大臣 第113号(サービサー業許可)
事業内容:特定金銭債権の買取、債権管理・回収、受託管理・回収業務(サービサー業務)
所属グループ:Jトラストグループ関連会社
より良い解決方法を考えましょう
引田法律事務所からの通知は、弁護士名義であることから心理的な圧迫を感じやすいものです。しかし重要なのは、冷静に書面の内容を精査することです。慌てて連絡をとってしまうことで、不利な状況に陥る可能性があります。
引田法律事務所からの通知書で最初に確認すべきなのは、「支払の催告に係る債権の弁済期」です。本件では、“2020年”と明記されています。
この弁済期から5年以上経過している場合には、消滅時効が完成している可能性が十二分にあると言えます。
なお、時効の計算の起点は契約日ではなく、弁済期(または最終の支払い予定日)です。ここを見落としてはいけません。
重要なポイント
① 弁済期から5年を経過しているか
本件では2020年が弁済期とされていますので、支払をすべき時から5年を経過している可能性が高い状況です。但し、支払の相談や債務の存在を前提とする会話、発言は時効期間をリセットさせる効果があるため注意が必要です。
② 訴訟や支払督促が過去に出ていないか
裁判を起こされていれば時効は中断・更新されます。しかし、催告書の送付だけでは時効は止まりません。なお、記載されている弁済期に身に覚えがなければ、この日付が裁判確定日などの可能性があります。
③ パルティール債権回収は他にも債権を保有している可能性がある
パルティール債権回収は複数の債権を保有している可能性があるので、安易な支払相談は思いがけない債務が明らかになることも少なくありません。なお、パルティール債権回収株式会社が保有する債権の多くは、楽天カード株式会社(旧ワイジェイカード株式会社)やイオンクレジットサービス株式会社から債権譲渡を受けたものです。
④ 減額・将来利息カットに応じない傾向
引田法律事務所およびパルティール債権回収株式会社は、任意交渉において減額や将来利息の免除に応じない運用が多く見られます。特に時効が成立している可能性がある場合は、安易に連絡をとってしまうことは得策ではありません。
解決
本件では、調査の結果、通知書に記載されていた弁済期は実際の弁済期であり、その他裁判をされている記録なども確認されませんでした。
そこで、内容証明郵便により、引田法律事務所に対し消滅時効を正式に援用した結果、支払義務は消滅し、今後の請求・督促がないことを直接確認して業務は終了しました。
仮に、慌てて分割払いの相談をしていたとすると、利息・損害金を含めれば最終的な支払総額はさらに増えていた可能性があります。しかし、時効援用により支払義務が消滅したため、経済的負担はゼロで解決することができました。
引田法律事務所やパルティール債権回収株式会社は、減額交渉や将来利息カットに応じないケースが多いため、時効で解決できる事案であれば、支払って解決するより時効を援用した方がはるかに経済的な解決方法です。
「支払の催告に係る債権の弁済期」を確認すること、そして、そこから5年を超えていれば、時効の可能性は十分にあるということを覚えておきましょう。
【最短60秒!無料診断!】時効援用シミュレーター
≫≫≫時効援用シミュレーターはこちらから
[最短60秒]3つの質問に答えると、あなたが時効援用できるか診断できます。
事務所概要
アルスタ司法書士事務所
お電話 0120-697-096
オフィシャル:https://alsta.jp/
お問い合わせ
執筆者:司法書士 大塚勇輝
アルスタ司法書士事務所 共同代表/大阪司法書士会所属
1985年生まれ。父親の転勤により沖縄で生を受けるも、育ちはほぼ大阪一筋40年。 何故か小さい頃から周辺に法律問題が多く、公務員である父親への反発もあってか、大学卒業後もサラリーマンの道を選ばず司法の世界へ。 2010年司法書士試験合格。自称「個人の顧問法律専門家」。登記・成年後見業務に限らず、相続問題や借金問題など相談者の様々なニーズに応えることに注力している。
