
アビリオ債権回収から請求書が届いたら
目次
こんな相談がありました
60代男性の方から、【アビリオ債権回収株式会社】から古い借入れに関する請求書が届いた、とのご相談をいただきました。
内容を見ると、かなり前に信用金庫で契約した借入れに関する債権が、アビリオ債権回収株式会社に譲渡され、請求が行われているとのことでした。
相談者は、「もう10年以上前の話で、長い間請求もなかった」「信用金庫との取引だったはずだが、今になって債権回収会社から請求が来るのはおかしいのではないか」と疑問と不安を感じ、当事務所へ相談に来られました。
このようなケースでは、民法改正前の消滅時効期間が問題となる典型例です。
■会社概要(アビリオ債権回収株式会社)
・本店所在地:東京都江東区豊洲3丁目2番20号 豊洲フロント
・代表取締役社長:渋谷 愛郎
・法務大臣許可番号 第5号
・旧社名(合併会社):三洋信販債権回収株式会社、エムシーエス債権管理回収株式会社、パル債権回収株式会社、株式会社シーエフ債権回収、株式会社セディナ債権回収
東京サービシングセンター(東京事業部)
・所在地:東京都江東区豊洲3丁目2番20号 豊洲フロント6階
・利用番号例:0120-04-9292、03-6854-4672、03-6854-4663
・担当者例:田中貴之、西義明
札幌サービシングセンター
・所在地:北海道札幌市中央区南1条西6丁目11番地 札幌北辰ビル9階
・利用番号例:0120-04-9292
大阪サービシングセンター
・所在地:大阪府大阪市中央区南船場4丁目2番4号 日本生命御堂筋ビル10階
・利用番号例:0120-93-6462、0120-94-5486、0120-24-3337
・担当者例:筧健吾
名古屋サービシングセンター
・所在地:愛知県名古屋市中区丸の内2丁目20番25号 メットライフ名古屋丸の内ビル
・利用番号例:0120-557-424
福岡サービシングセンター
・所在地:福岡県福岡市博多区店屋町1番35号 博多三井ビルディング2号館2F
・利用番号例:0120-94-5534、03-6854-4692
・担当者例:野々下貞治
【SMS(ショートメッセージ)について】
アビリオ債権回収では、債権管理回収業務における連絡手段としてSMSが利用される場合があります。
【補足】
アビリオ債権回収は、法務大臣の許可を受けた債権管理回収業者(サービサー)で、全国にサービシングセンターを設置し、金融機関等から委託または譲渡された債権の管理・回収業務を行っています。また、消費者金融プロミス(現SMBCコンシューマーファイナンス)の子会社であり、同時に、SMBCファイナンスグループの一員ということになります。
【債権譲渡元】
・プロミス株式会社(SMBCコンシューマーファイナンス株式会社)
・GEコンシューマーファイナンス株式会社(新生フィナンシャル株式会社)
・株式会社レイク(新生フィナンシャル株式会社)
・三洋信販株式会社(ポケットバンク)
・株式会社セディナ
・株式会社モビット
・三井住友カード株式会社
・株式会社クオークローン(株式会社クラヴィス)
・株式会社オリエントコーポレーション
・株式会社ジャパンネット銀行(アットローン株式会社)
・株式会社三井住友銀行
・住信SBIネット銀行
・山形信用金庫(信金ギャランティ株式会社)
※ 実際に使用される電話番号・SMS番号・事業部名は案件ごとに異なる場合があります。
より良い解決方法を考えましょう
民法改正(令和2年4月施行)以前に成立した債権については、原則として改正前民法の時効ルールが適用されます。
改正前民法における消滅時効期間は、以下のように整理されていました。
一般の債権:10年
商行為によって生じた債権(商事債権):5年
そのため、アビリオ債権回収株式会社から請求を受けた場合でも、
「いつ」「誰との契約で」「どのような性質の債権なのか」を正確に確認しなければ、時効期間を誤って判断してしまうおそれがあります。
重要なポイント
★信用金庫との契約に係る消滅時効期間は「5年」ではありません
誤解されがちですが、信用金庫、信用組合は株式会社などとは違い、「商法上の商人に該当せず、その貸付行為は商行為ではない」ことに注意しなければなりません。この点について、最高裁(最高裁昭和63年10月18日判決)は、信用金庫との貸付取引は「商行為には当たらない」と判断しています。
その結果、信用金庫との金銭消費貸借契約から生じた債権については、商事債権の5年ではなく、原則どおり10年の消滅時効が適用されると解されています。
したがって、「金融機関だから5年」「債権回収会社から請求が来たから5年」と短絡的に判断することはできません。
★保証会社が代位弁済した場合は要注意
もっとも、ここで重要な例外があります。信用金庫との契約であっても、保証会社が保証履行(代位弁済)をした場合には、話が変わってきます。
保証会社が代位弁済を行うと、元の貸金債権とは別に、**保証会社から債務者に対する「求償権」**が発生します。そして、この求償権について、「保証会社が行う保証業務は商行為に該当する」と判断することができ、その結果、保証会社の求償権は商事債権として5年の消滅時効が適用される可能性があるとされています。(商法第501~503条、522条、会社法第5条)
つまり、
元の債権(信用金庫 → 債務者):10年
代位弁済後の求償権(保証会社 → 債務者):5年
と、同じ借入れを原因とする債権でも、性質が変わることで時効期間が短くなる場合があるのです。
★アビリオ債権回収からの請求で確認すべき点
アビリオ債権回収株式会社から請求が来た場合、特に次の点を確認する必要があります。
・原契約の相手方は誰か(信用金庫か、保証会社か)
・保証会社による代位弁済が行われているか
(保証会社の代位弁済が商行為に該当するか否か)
・代位弁済がある場合、その時期はいつか
・その後、裁判や支払い、債務承認がないか
これらによって、適用される時効期間の基準、計算が大きく変わってくる可能性があります。
解決
本件では、取引履歴や代位弁済の有無を精査した結果、保証会社による代位弁済後、5年以上が経過しており、かつ時効の完成を妨げる事情がないことが確認できました。
そこで、内容証明郵便をもって、アビリオ債権回収株式会社に対し、消滅時効を正式に援用した結果、支払義務が消滅したことを確認し、無事解決に至りました。
アビリオ債権回収株式会社から古い債権について請求を受けた場合でも、
「10年なのか、5年なのか」
「誰の債権なのか」
を正確に見極めることが、最も重要なポイントになります。
補足(消滅時効に係る改正民法との切り分け)
時効となる「5年 OR 10年」はいつの契約かで変わります
消滅時効については、令和2年4月1日に施行された改正民法により、ルールが大きく変更されています。
そのため、長期に渡って未払いとなっているものについて請求を受けた場合には、改正前民法が適用されるのか、改正後民法が適用されるのかをまず切り分ける必要があります。
【改正前民法が適用されるケース】
次のような場合には、原則として改正「前」の民法が適用されます。
- 借入契約が令和2年3月31日以前に締結されている
- 改正民法施行前に、すでに時効が進行していた債権
この場合、消滅時効期間は、
- 原則:10年
- 商事債権:5年
という旧来の区別に基づいて判断されます。
信用金庫との契約や、保証会社の代位弁済が問題となるのは、多くがこの改正前民法の世界の話です。
【改正民法が適用されるケース】
一方、令和2年4月1日以降に成立した債権については、改正「後」の民法が適用され、消滅時効期間は次のいずれかとなります。
・権利を行使できることを知った時から5年
・権利を行使できる時から10年
原則として、「商事か民事か」という区別はなくなり、5年が基本となっています。
【実務で注意すべき経過措置】
改正民法では、経過措置として、施行「前」に発生した債権については、原則として改正「前」の民法を適用するとされています。そのため、借入時期や代位弁済の時期などを正確に確認しないまま、「今は5年だから時効だ」「10年経っていないから無理だ」と判断するのは危険だと言えます。
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事務所概要
アルスタ司法書士事務所
お電話 0120-697-096
オフィシャル:https://alsta.jp/
お問い合わせ
執筆者:司法書士 大塚勇輝
アルスタ司法書士事務所 共同代表/大阪司法書士会所属
1985年生まれ。父親の転勤により沖縄で生を受けるも、育ちはほぼ大阪一筋40年。 何故か小さい頃から周辺に法律問題が多く、公務員である父親への反発もあってか、大学卒業後もサラリーマンの道を選ばず司法の世界へ。 2010年司法書士試験合格。自称「個人の顧問法律専門家」。登記・成年後見業務に限らず、相続問題や借金問題など相談者の様々なニーズに応えることに注力している。