
アコム株式会社から一括返済のお願いが届いたら
こんな相談がありました/アコム
30代男性から、【アコム株式会社】から<一括返済のお願い>が届いたとご連絡をいただきました。生活苦からアコムでキャッシングをしたものの、長らく返済が出来ていない状況のようです。直接アコムへ電話をしようか悩んだ結果、先に当事務所にご相談をいただいたということでした。
アコムは言わずもがな大手の消費者金融です。消費者金融と聞くと嫌悪感を示す方もいらっしゃいますが、今ではキャッチーなCMや、社会貢献事業なども行っていることから、過払い請求が盛んだった頃から考えると比較的取っ付きやすくなっているのではないでしょうか。
とは言え、消費者金融であることには間違いありません。年利で15%~20%の金利や遅延損害金を取られることを考えると、決して気軽に利用して良いものではありません。
より良い解決方法を考えましょう
そもそも、消費者金融からの未払いに対しての請求書面というものは、<一括返済のお願い>にせよ<法的予告通知>にせよ、支払いをしてもらうことが一番の目的ではあるものの、最低限、連絡を取りたいという思惑があります。連絡さえ取ってしまえば、債権者もプロですから、支払いの言質を取ることも出来ますし、状況を確認することで支払に向けて相談、アドバイスをすることが出来るからです。
理屈の上では、利息・損害金の付加された総額を支払う義務があるので、一括で返済することが出来る方については、そのまま返済をするというのも一つの選択肢です。問題は、一括で返済は出来ないけれど、支払う気がないわけではない、裁判を起こされて口座や給料を差押えられるなら少しずつでも支払いを…と考えてしまう方です。
たとえば50万円の借入があったとして、損害金の年率が20%だった場合、年間の損害金額は概ね10万円となるため、仮に、月1万円の返済をしたとしても、そのほとんどが損害金に充てられてしまい、50万円の元金は一向に減らないことになります。
債権者と連絡をとり、支払いの合意をしてしまうと後からこれを覆すことが出来ません。果たして、後先考えずに債権者と連絡をとってしまうことが最適なのか、届いている書面の内容を見て検討していきましょう。
・残債務合計金額 150万円
・区分 ローン(キャッシング)
返済期日 平成27年6月x日
・内訳
貸付金残高 50万円
遅延損害金 100万円
合計 150万円
<ローンご契約内容> 契約番号 xxxxxxx 基本契約日 平成26年x月x日
<最新取引> 貸付日 平成27年5月x日
貸付後残高 50万円 貸付利率18%、遅延利率20%
記載されている日付を時系列にまとめますと、平成26年にアコムと契約、キャッシングを行い、平成27年5月に借りた後、平成27年6月から返済がないことが窺えます。
また、返済が滞った後の利率は、貸付利率から遅延利率に変更になるため、今回のケースでは、年率で20%の遅延損害金が付されることになります。したがって、5年未払いが続けば倍、10年未払いが続けば3倍に増えることになるので、記載のとおり、平成27年5月時点で50万円だった借入が、平成37年(令和7年)時点で総額150万円になっているということは、法律上過剰な請求ではないということになります。
視点を変えて考えてみますと、10年ほどは支払がないことが書面上から明らかな状況です。更に、書面の冒用で、「裁判所に法的手続きを申し立てることがあります。」と記載されていることから、この書面が届くまでに裁判などの法的手続きはまだ起こされていないことが想像できます。今回の相談はアコムに連絡をする前にご連絡をいただいたようなので、本件は消滅時効を援用することで、払わずして解決を図ることが出来る可能性があります。
重要なポイント
【 消滅時効の要件 】
・5年以上支払をしていない
・5年以上相手方と話をしていない
・過去10年内にその借入について裁判や強制執行、財産開示手続きを執られていない
なお、アコムの裁判の有無については、請求書面が以下の文言から始まっている場合は、特に注意が必要です。
前略 裁判所を通じた法的手続きにより債務金額が確定しましたが、いまだにご返済がありません。
こういった書き方から始まる場合は、過去に裁判手続きがあった可能性が高く、これに伴い内訳の欄に『示談締結日』や『示談金額』、『示談利率』などの記載があることが多いため、そもそも“示談”をした記憶もないといったような場合には、裁判の有無を疑った方が良いかもしれません。過去に裁判手続きがあった場合はその確定日又は最後の支払日のどちらか遅い方から10年間は時効にはなりません。
解決
当事務所が代理人として、アコムから取引履歴を取り寄せたところ、こちらが予想通りの内容でしたので、早速、内容証明郵便をもって消滅時効を援用しました。
また、その後に今後の請求・督促はなく、支払義務が消滅していることをアコムの担当者に確認し、併せて、信用情報機関への報告を促し、今回の件は解決しました。
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