アルファ債権回収株式会社から督促状が届いたら

こんな相談がありました

先日、【アルファ債権回収株式会社】から<督促状(Ⅰ)>が届いたとご相談をいただきました。

アルファ債権回収という会社から請求を受ける覚えはなく、ただ、過去に銀行からの借入を途中から返済していなかったような気もするとのことです。

差出人のところに『法務大臣許可番号101号』と記載されていることから分かるとおり、このアルファ債権回収は『債権管理回収業に関する特別措置法(通称:サービサー法)』に基づき譲受債権の請求業務を行っている会社です。平たく言えば、『不良債権を買い取って(または委託を受けて)請求する、法律で認められた債権回収の専門会社』ということになります。

アルファ債権回収から届く督促状には、督促状とは別に<法的手続き開始前のご連絡のお願い>というタイトルの書面が同封されています。これを読み進めていきますと、【新生フィナンシャル株式会社】から譲り受けた債権のご返済について、と記載されていることから、新生フィナンシャルへの返済を滞っている状況にあることが分かります。なお、この新生フィナンシャルとは、消費者金融の【レイク】のことを指します。

更に、支払期日までに支払いまたは連絡をしなければ『法的手続きによる回収手続き』の準備を開始する、とありますので、このまま放っておけば、いずれ裁判や強制執行(給料や銀行口座の差押え)の恐れがありますので、早急な対応が必要だと考えられます。

より良い解決方法を考えましょう

アルファ債権回収からの督促状には、比較的債務内容の詳細が記載されています。

●ご請求内容
 ご請求金額 25万円
  <内訳>
  ・求償金元金 10万円
  ・遅延損害金 15万円
  ・保留金     0円 ※保留金とは未払遅延損害金とする。
 現在残高金額 25万円
 約定弁済期日 代位弁済日2015年10月〇日

●譲受債権の内容
 債権譲受日 2020年〇月〇日
 契約番号 xxxxxxxxxxxx
 債権譲渡人 新生フィナンシャル株式会社
 (保証会社)東京都千代田区外神田三丁目12番8号
 借入金融機関 新生銀行
 ローン契約日兼保証委託契約日 2015年1月〇日
 代位弁済日 2015年10月〇日

 債権種類 求償債権
 代位弁済金額 11万円
 損害金利率(年率)14.60%
 譲受債権額 17万円

●ご返済金振込口座
 銀行名 三井住友銀行
 支店名 たんぽぽ支店
 預金種目 普通
 口座番号 xxxxxxx
 口座名義 アルファ債権回収株式会社

見慣れない言葉が並んでいるように感じるかもしれませんが、記載されている内容自体はそう難しいものではありません。

時系列を整理しますと、先ず2015年1月に新生銀行との間でローン契約を行い、これと同時に新生フィナンシャル(=レイク)との間で保証委託契約を結んでいるということが分かります。

保証委託契約とは、仮にローン契約の借主が返済を滞った時に、保証人(保証会社)が代わりに貸主に対して返済をする、という契約を指します。保証人(保証会社)が代わりに返済をしてくれたので、ローン契約はこれで完結かと言うとそうではなく、保証人(保証会社)は、新たに借主に対して代わりに返済した金額の返済を求めることができるようになり、貸主は、保証人(保証会社)に返済をしなければなりません。(この保証人(保証会社)が代わりに返済することを代位弁済と言い、代位弁済後に借主に返済を求める権利を求償権または求償債権と呼びます。)

今回のケースで言えば、2015年10月〇日以前に借主が返済を滞ったことから、同日、新生フィナンシャルが借主に代わって新生銀行に返済をしたということなります。また、約定弁済期日がこの代位弁済日と同一日ということは、それ以降、借主は新生フィナンシャルに対しても返済をしていないことが窺えます。

さて、最後の返済(代位弁済も返済の一種です)から10年近く経過しており、<法的手続き開始前のご連絡のお願い>からは未だこの件で裁判等が起こされていないであろうことが確認できました。更に、相談者からは新生銀行への返済が滞って以降、どの会社とも連絡はとっていないという申告がありましたので、このような状況であれば、<消滅時効>を援用することで、1円も支払うことなく解決を図ることもできそうです。

重要なポイント

<消滅時効>とは、一定期間の経過をもって権利の取得または喪失を定めた民法上のルールです。過去10年内に裁判等がなく、且つ、5年以上支払もなく、相手方と直接の連絡を取っていない場合に、その権利義務を消滅させる法律効果を指します。

【 消滅時効の要件 】
・5年以上支払をしていない
・5年以上相手方と話をしていない
・過去10年内にその借入について裁判や強制執行、財産開示手続きを執られていない

また、民法145条には『時効は、当事者が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。』とありますので、勝手に時効となり、債権者から請求が来なくなるということはありません。要は、時効の権利を積極的に主張する必要があるということです。

解決

当事務所が代理人として、アルファ債権回収に連絡をし、改めて取引の履歴を取り寄せたところ、5年以上支払がなく、時効を中断・更新させるだけの事実がなかったため、内容証明郵便をもって消滅時効を援用しました。これにより、今後の請求・督促はなくなり、無事解決に至りました。 

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