アイ・アール債権回収株式会社から請求書が届いたら

こんな相談がありました/アイ・アール債権回収

今日は、【アイ・アール債権回収株式会社】から<請求書>が届いたとご相談がありました。

請求書の冒頭には、元々【アコム株式会社】からの借入について、2024年9月にその債権(借金を返済してくれという権利を指します)を譲り受けたものの、支払いがないので請求をしている、という旨が記載されています。

このアイアール債権回収は何者なのかということですが。請求書にも、『債権管理回収業に関する特別措置法(通称:サービサー法)』に基づき譲受債権の請求業務を行うものと記載されていますが、平たく言えば、『不良債権を買い取って(または委託を受けて)請求する、法律で認められた債権回収の専門会社』ということになります。

そして、アコムの債権は、ほぼこのアイアール債権回収に流れていきます。この理由はアイアール債権回収のホームページを見れば一目瞭然で、アイアール債権回収がアコムの子会社だからに他なりません。端的に言えば、アコムは自社の不良債権を子会社であるアイアール債権回収に流しているだけなので、そういう意味では必要以上に恐れる必要はありません。

より良い解決方法を考えましょう

アイアール債権回収から届く書面の中で、この<請求書>が一番オーソドックスなものになろうかと思います。請求書の他には<特別和解案>や<訴訟等申立予告通知>などがありますが、タイトルのインパクトに騙されてはいけません。

さて、今回アイアール債権回収はアコムからどういった債権を買い取ったのでしょうか。これは、『譲受債権内容』として、請求書の中段に記載があります。

債権譲渡人 アコム株式会社
包括契約年月日 2005年
最終貸付年月日 2010年
債権の弁済期 2024年8月
譲受年月日 2024年9月

当初の約定利率 28.470%

ここからは2005年にアコムと契約し、2010年に最後の借入をしたことが分かります。一方で、いつまで払っていたのかはここからは明らかにはありません。『債権の弁済期』というのは、本来支払をすべき日を記載するべきですが、アイアール債権回収の場合、この債権の弁済期の日付に身に覚えがないケースが多く、アコムまたはアイアール債権回収の中での何らかの日付であると予想されるため、あまり参考になる情報ではありません。

いずれにせよ、最終貸付日が2010年で止まっており、また、アコムまたはアイアール債権回収へ『最後に返済をしてから5年以上経過しており、最後の返済から今日に至るまで一切連絡をとっていない』という申告がありましたので、この場合、<消滅時効>を援用することで、1円も払わずして解決を図ることが出来る可能性があると考えられます。

重要なポイント

<時効>とは、一定期間の経過をもって権利の取得または喪失を定めた民法上のルールです。このうち債権の消滅時効に係る一定期間は、現在の民法では原則5年ですが、2020年3月31日までに発生した債権については、債権の内容によって様々です。

 2020年4月1日以降に発生した債権
・債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき。
・権利を行使することができる時から10年間行使しないとき。(民法第166条)
 → 主観で5年、客観で10年過ぎれば時効

 2020年4月1日より前に発生した債権
 ・債権は、10年間行使しないときは、消滅する。(旧民法第167条)
 ・商行為によって生じた債権は、5年間行使しないときは、時効によって消滅する(旧商法第522条)
 → 客観で10年、商行為に該当する場合は5年過ぎれば時効

この他、旧民法には5年より短い時効期間や、債権または所有権以外の財産権については20年といったようなルールがありますが、今日のところは割愛します。

そして、今回アイアール債権回収が保有する債権は2005年当時に発生したものであり、且つ、消費者金融であるアコムが金銭を貸し付ける行為は商行為だと言えますので、時効期間は5年ということになります。

また、民法145条には『時効は、当事者が援用しなければ、裁判所がこれによって裁判をすることができない。』とありますので、勝手に時効となり、債権者から請求が来なくなるということはありません。つまり、時効の権利を積極的に主張する必要があるということです。

解決

当事務所が代理人として、アイアール債権回収に連絡をし、取引履歴を取り寄せたところ、”5年以上支払がなく、時効を中断・更新させるだけの事実がなかったため、内容証明郵便をもって消滅時効を援用しました。これにより、今後の請求・督促はなくなり、無事解決に至りました。 

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