SMBCコンシューマーファイナンス株式会社からご通知が届いたら

こんな相談がありました/SMBCコンシューマーファイナンス

40代男性から、SMBCコンシューマーファイナンス株式会社(プロミス)から<ご通知>というタイトルで請求書が届いたとご連絡をいただきました。

差出人についてお伺いしたところ、東京都江東区の住所から高橋陽平という個人名】で書面が届いているとのことでした。

確かにプロミスからの借入は記憶にあるようで、ただ、随分前から払っていないので、今更どうしたら良いか分からない、ということでの相談のようです。

先ず、このプロミスという会社ですが、テレビCMでもよく耳にする大手の消費者金融です。しかしながら、プロミスまたはPROMISEという名はあくまで消費者金融業を行う上でのブランド名(以前は会社名もプロミス株式会社)で、会社の正式名称は【SMBCコンシューマーファイナンス株式会社】となっており、SMBCというところからも明らかですが、現在ではSMBCフィナンシャルグループの完全子会社となっています。

また、プロミスは現体制になるまでに何度も社名を変更したり、多数の会社と合併や子会社化を行っており、プロミスからの借入はないという方でも、【三洋信販株式会社】、【アットローン株式会社】などから借入していた、または請求を受けていた方は、その当時に清算をしていなければ、今後もプロミス(SMBCコンシューマーファイナンス)から請求を受ける可能性があるので、注意が必要です。

なお、プロミスは、自社で貸付も行っていますが、三井住友銀行の発行するカードローンなど銀行融資の保証業務も行っていますしたがって、先ほど述べた合併や子会社化なども含めると、プロミスが関連する債権は非常に多岐に渡ることになります。

加えて、プロミスは保有する債権が古いものになると、今度は【アビリオ債権回収株式会社】というサービサーに債権譲渡(債権を売り渡すこと)することも少なくありません

より良い解決方法を考えましょう

では、上記の流れを前提に届いている書面に見ていきましょう。

[請求内容]
 ・会員番号 xxxx-xxxxx
 ・契約番号 xxxx-xxxxx-xx-xx-x
 ・期限の利益喪失日 平成15年5月
 ・元金残高 46万円
 ・遅延利息 262万円
 ・不足金 9万円
 ・裁判所名 xx簡易裁判所
  事件番号 平成15年(ノ)第xxxx号
 ・合計 320万円
 ・今回請求額 320万円
  (うち、元金充当: 46万円)
 ※不足金には、和解時確定利息を含みます。

ここまででも十分今後の方針を検討するだけの情報があると言えますが、プロミスの場合は、これ以外にも情報が記載されていることがあります。

 ・最終借入日 平成14年9月
 ・最終借入後残高 46万円
 ・最終契約日 平成14年9月
 ・借入利率 0.00%
 ・遅延利率 26.280%
  ※上記は和解契約にもとづき記載しています。
 ・最終入金日 平成15年10月

重要な部分を抜粋すると、平成15年5月に期限の利益を喪失しており、xx簡易裁判所において、(ノ)で表記される調停事件があったこと、[請求内容]から平成14年9月に契約、借入を行い、平成15年10月以降の入金がないことが記載されています。

これらの時系列をまとめると、平成15年5月頃から支払いが滞り、その後に裁判所で調停事件が行われ、その内容に基づいて平成15年10月まで払っていたことであろうことが窺えます

調停事件が確定した時点での元金額と現在の元金額に変動がないのは、恐らく返済は優先的に利息・損害金に充てられたため、元金が減るには至らなかったものと考えられます。

記載から20年以上支払がないことは明らかですが、念のため、損害金率からもおおよその未払い年数を計算しておきましょう

46万円(元金額)×26.280%(損害金率)≒12万円(1年間未払で発生する損害金額)

[請求内容]より、遅延利息は262万円とありますので、
262万円(遅延利息)÷12万円(1年間未払で発生する損害金額)≒22年

損害金率から見ても、20年以上支払がないことは間違いなさそうです。

未払期間が20年ともなると、最初に<消滅時効>の可能性を疑わざるを得ません

重要なポイント

消滅時効とは、過去10年内に裁判等がなく、且つ、5年以上支払もなく、相手方と直接の連絡を取っていない場合に、その権利義務を消滅させる法律効果を指します。

[消滅時効の要件]
① 5年以上支払がない
② 過去に裁判等(訴訟・支払督促など)を起こされていない
③ 5年以内に相手方と直接、電話などで話をしていない

但し、今回の件では、平成15年に調停事件が行われてしまっています。

調停事件も時効か否かを判断する上で、裁判手続きの一種)に分類されますので、上記の要件で考えますと、時効は成立していないということになります。

では、裁判等が確定した後は、もう時効になることはないのでしょうか?

この点、消滅時効を定めている民法では、裁判等が確定した後の消滅時効についても規定されています。

(判決で確定した権利の消滅時効)

第169条 確定判決又は確定判決と同一の効力を有するものによって確定した権利については、十年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、十年とする。

つまり、裁判が終わった後、10年が過ぎればまた消滅時効の要件を満たす可能性があるということです

ただ、10年過ぎれば無条件に時効になるという話ではありません。裁判がなかった場合と同様、1円でも支払いをすることはもちろん、相手方と直接電話や対面でやり取りをすることで、時効がリセットされてしまう可能性があります

更に、確定した裁判等(法律上は債務名義の取得と言います。)は、強制執行の権利を与えることになり裁判をする前には出来なかった給料や銀行口座の差押え手続きを債権者(請求する側)が進める恐れがあるため、裁判をする前に比べて、時効へのハードルは高くなると言わざるを得ません

また、2回目、3回目の裁判等が否定されるわけではありませんので、時効の計算がスタートして10年内に、再度の裁判等が起こされた場合も、時効はリセットされてしまうことになります。

これら裁判等が確定した後に時効がリセットされた場合、再度時効になるためには、最低でもまた新たに10年の期間を要することになります

 [裁判等が確定した後の消滅時効の要件]
①10年以上支払がない
②最後の裁判等(訴訟・支払督促など)から10年以上経過している
③最後の強制執行(差押え)から10年以上経過している
④最後の財産開示手続きから10年以上経過している
裁判等、強制執行、財産開示手続き以降、相手方と直接、電話などで話をしていない

解決

当事務所が代理人として、改めてプロミスから取引履歴を取り寄せたところ、平成15年の調停事件が確定した後、平成15年10月まで払っていた事実に相違はなく、また、それ以降で、強制執行や新たに裁判等が行われた事実もなかったことから、消滅時効の要件を満たしているものと判断し、内容証明郵便をもって消滅時効を援用しました

結果、今後の請求・督促はなく、支払義務が消滅していることをプロミスの担当者に確認の上、債務がないことの証明書を取得し、本件は解決に至りました

最短60秒!無料診断!】時効援用シミュレーター

≫≫≫時効援用シミュレーターはこちらから
[最短60秒]3つの質問に答えると、あなたが時効援用できるか診断できます

事務所概要

アルスタ司法書士事務所
お電話 0120-697-096
オフィシャル:https://alsta.jp/

お問い合わせ


    メール相談 電話相談
    アルスタ
    時効援用