れいわクレジット管理株式会社からお知らせが届いたら

こんな相談がありました

【れいわクレジット管理株式会社】という身に覚えのない会社から<お知らせ>と<残高証明書>が数枚届いたと相談がありました。

過去に【三菱UFJニコス株式会社】が発行しているクレジットカードを利用したことがあるかどうかをお伺いしたところ、あったかもしれないが、そもそも当時の借入については10年以上前に全て清算しているはずだとの申告を受けました。

では、このれいわクレジット管理からの書面は何かの間違い?もしくは、架空請求の類でしょうか?答えは否です。

れいわクレジット管理は、以下のホームページにも記載のとおり、元々MUニコス・クレジット株式会社】という名称の会社であり、その名称からも明らかですが、ニコスの子会社であり、ニコスの持つクレジット債権の一部を会社分割により承継し、請求・回収を行う会社でした。

そして、MUニコスクレジットが株式譲渡(いわゆるオーナーチェンジ)によりニコス並びに三菱UFJグループから離れ、その際に社名を変更したことで誕生したのが、【れいわクレジット管理株式会社】ということになります。

https://www.rcredit.jp

したがって、詐欺でも架空請求でもありませんが、れいわクレジット管理という名前に身に覚えがないのも仕方ありません。かと言って、この請求を放っておけば、いずれ裁判に発展し、給料や口座の差押えを受けかねませんので、解決を急ぐ必要があります。

より良い解決方法を考えましょう

れいわクレジット管理から届いた<お知らせ、残高証明書>には、先ほど説明したとおり、ニコスのクレジット債権の一部を最終的にれいわクレジット管理が保有するようになった経緯が簡単に記載されています。その他には返済口座と現在の残高が記載されている程度で、ニコスのいつ利用したどのような借入なのか、一切情報がありません。(何も知らないでこれを見ると、確かに架空請求だと勘違いするのも仕方ありません。)

いずれにせよ、請求を受けていることは明らかですので、解決方法として一番話が早いのは、もちろん返済をすることでしょう。ただ、10年以上請求すらされていなかった未払い金について、内容も分からないまま、利息や損害金を付けて返済してくれと言われても腑に落ちない方がほとんどではないでしょうか。

そもそも、なぜこういったことが起こるのでしょうか。不思議に思われるかもしれませんが、決して珍しいことではありません。契約上、消費者金融からの借入やクレジット債権には必ず返済日が定められていますので、貸した側は言わずもがな返済期日に返済があることを期待します。しかしながら、現実に返済がない場合、その後の利率(損害金)や、期限の利益喪失の特約が定められていたとしても、貸した側から請求しなければならない法律上の義務はなく、契約の中でそのような義務やルールを設けていることもありません。

つまり、返済期日を過ぎて以降、未払金に対する請求は、貸した側の裁量次第ということです。

とは言え、返済期日に遅れたものを放っておけば、どんどん回収の見込みがなくなっていきますので、貸した側もただただ傍観しているわけにもいきません。通常は、返済を促すために請求・督促を行うと考えられますが、どの程度、また、どのくらいの頻度で請求・督促を行うかは、会社ごとで温度差があると言えます。

相談者の話によれば、そもそもニコスから一度も請求を受けたことがないとのことでした。このニコスという会社は他の消費者金融やクレジットカード会社と比べて未払債権の回収にあまり熱心ではありません。どういった事情があるのかは分かりませんが、ニコスに関する相談ではこのような申告を受けることがままあり、また、依頼を受け、調査をしてみると、実際に支払いが滞った直後以外は一度も請求をしていなかったようなケースが少なくありません。

10年以上支払いがなく、直接のやり取りや裁判所から書類が届いたこともないという相談者の申告内容がすべて事実であれば、本件は消滅時効を援用することで解決できる可能性が高いと言えます。

重要なポイント

『時効』とは、一定期間状況が変わらない場合に、当事者の主張により、権利の得喪を確定させる民法で定められた法律効果を指します。時効には取得時効と消滅時効とがありますが、このうち消滅時効は元々存在していた権利が消滅する場合のルールを定めています。

消滅時効の要件
① 5年以上支払がない
② 過去に裁判(訴訟・支払督促)を起こされていない
③ 5年以内に相手方と直接、電話などで話をしていない

裁判を起こされた際に裁判所から届く書類は、<特別送達>と呼ばれる、特殊な郵送方法で書類が届きます。具体的には、署名の上、郵便局員から手渡しで受け取る郵送方法のため、この形式で裁判所から書類を受け取ったことがなければ、原則、裁判は起こされていないと考えてください。

但し、例外的に以下の場合は、手渡しで借主本人が受け取らずとも書類が届いたものとして、もしくは、別の郵送方法で郵送され、裁判手続きが進んでしまう可能性があるので、注意が必要です。

  • 同居人や親族が代わりに受け取ってしまった場合
    (裁判所からの書類の受取りは、必ずしも本人である必要がありません。)
  • 郵送された場所に居住している、不在または受取りを拒否している場合
  • 調査しても所在不明の場合(但し、支払督促の場合を除く)

解決

今回の相談については、届いた書面から明らかになる情報が少なかったため、相談者の申告に基づいて判断をせざるを得ませんでしたが、代理人としてれいわクレジット管理へ受任通知を送付の上、債権調査を行ったところ、申告内容と相違なく、れいわクレジット側で時効をリセットさせるだけの措置を講じていなかったため、内容証明郵便をもって消滅時効を援用しました。その結果、債務は消滅し、今後の請求・督促がないことをれいわクレジット管理に確認し、解決に至りました。

なお、れいわクレジット管理は、先ほどのホームページにも記載されていますが、【弁護士法人子浩法律事務所】、【武藤総合法律事務所】、【トラスト弁護士法人】に債権回収業務を委託(※本記事執筆時点では頂いているご相談の殆どはトラスト弁護士法人でした)しているケースがあります。もし、これらの法律事務所から請求書が届いた、着信があったなどの場合は、れいわクレジット管理からの請求である可能性もあります。弁護士事務所だからといって驚いてしまい、相手方に連絡してしまったがために、時効がリセットしてしまってからでは今回のように、時効で解決できなくなってしまうことがありますので、ご注意ください。

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