アビリオ債権回収株式会社からご通知が届いたら

こんな相談がありました/アビリオ債権回収

今日は、【三井住友カード株式会社】の未払いについて、別の債権回収会社から書面が届いたと相談をいただきました。債権回収会社の名前をお聞きしたところ、相手はアビリオ債権回収株式会社】ということでした。

このアビリオ債権回収は、他の会社の債権を買い取り、請求を行う、いわゆる<サービサー>と呼ばれる、法務大臣の認可を受けた正規の債権回収会社になります。したがって、今回の書面は架空請求ではありません。また、アビリオ債権回収は多岐にわたって債権を買い取っており、債務整理業務を行っていると、非常に多く目にする会社です。

ここで、債権の買取り先を一部紹介します。

・プロミス株式会社(現SMBCコンシューマーファイナンス株式会社)
・株式会社オリエントコーポレーション
・三井住友カード株式会社
(株式会社OMC、株式会社セントラルファイナンス、株式会社SMBCモビット、三井住友カード株式会社)
・信金ギャランティ株式会社
・トヨタファイナンス株式会社

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より良い解決方法を考えましょう

今回のには以下の内容が記載されていました。

【請求内容】
債務者名 xxxx
契約番号 xxxx
債務総額 140000円
今回請求額 140000円
 内訳 元金 70000円、利息 0円、損害金 40000円、不足金 30000円、費用 0円
計算日 2025年3月
支払期日 すでに期限の利益を喪失しております

【譲受債権】
譲渡人 三井住友カード株式会社
譲受日 2021年12月
譲受債権額 100000円

【原契約情報】
契約日 2014年4月
最終貸付日 2019年3月
最終貸付時残高 100000円
貸付利率 18%
遅延利率 20%

【備考】
現在適用利率は、次のとおりです。
通常利率 0%
遅延利率 20%

ここから以下の内容をピックアップしました。

  • すでに期限の利益を喪失していること
  • 最終貸付日が2019年、譲受日が2021年であること
  • 遅延損害金率が20%であること
  • 元金70000円に対して、利息・損害金込みで総額140000円まで膨らんでいること

順番に整理をしていきましょう。

期限の利益を喪失している状況とのことですが、<期限の利益とは、とても大雑把に言えば返済する側から見た支払猶予>を指しますので、これを喪失しているということは、一括請求を受ける段階にあるということになります。

また、最終貸付日が2019年、譲受日が2021年ということなので、アビリオ債権回収へ債権が譲渡されて以降は返済がないという前提で考えますと、2019年から2021年までの間に支払いが止まっていることが窺えます。

遅延損害金利率が20%ということなので、未払いが5年続くと単純に負債は元金の2倍になることから、今回元金70000円が140000万円になっていることは、単純に考えると5年間支払いがないということが分かります。

以上から、今回の相談は5年間支払いがないことが明らかになりました。ということは、他に中断・更新するような事実がなければ、今回の件は消滅時効を援用することで解決する可能性がありそうです。

重要なポイント

消滅時効とは、過去10年内に裁判等がなく、且つ、5年以上支払もなく、相手方と直接の連絡を取っていない場合に、その権利義務を消滅させる法律効果を指します。

【 消滅時効の要件 】
・5年以上支払をしていない
・5年以上相手方と話をしていない
・過去10年内にその借金について裁判や強制執行、財産開示手続きを執られていない

5年以上支払がないことは先ほど確認をしましたが、過去に裁判があったかどうか、支払いが止まって以降、相手方と連絡をとっていないかどうかについては、基本的に記憶に頼らざるを得ません。

但し、アビリオ債権回収については、過去に裁判を行っている場合、書面に裁判所の名称・事件の番号が記載されていることが多いため、実際に裁判所名や事件番号の記載がある場合は、既に裁判が起こされており、時効は一度リセットされているということになります。

今回の相談では届いた書面に上記のような記載はなく、また、三井住友カードへの支払いが止まって以降、三井住友カードともアビリオ債権回収とも直接話をしたことはないとのことなので、消滅時効の要件を満たしている可能性は非常に高いと言えます。

一方で、今回は<ご通知>というアビリオ債権回収から直接の書面ということなので、消滅時効の可能性が高いと推測しましたが、仮に、今回の相談内容が、<アビリオ債権回収から裁判所を着通じて書類が届いた>というものであれば、時効でない可能性がぐんと上がることになります。

なぜかと言うと、当事務所の経験則から、現在(コロナ禍が始まった頃からでしょうか?)アビリオ債権回収は時効の要件を満たしていない債権についてのみ裁判手続きを行っていると考えられるからです。これらの場合は、5年どころか10年以上支払っていないという申告を受けますが、過去に一度裁判が確定しており、2度目の裁判であることが少なくありません。したがって、対アビリオ債権回収の場合は、裁判の有無は通常よりも注意して判断する必要があると言えます。

解決

アビリオ債権回収株式会社から取引履歴を取り寄せたところ、ちょうど5年間支払いがなく、時効を中断・更新させるだけの裁判や当事者間でのやり取りをした事実もなかったことから、内容証明郵便をもって消滅時効を援用しました。

 その結果、支払義務は消滅し、今後の請求・督促がないことをアビリオ債権回収株式会社に確認し、無事解決に至りました。

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