弁護士法人駿河台法律事務所から最終通知書が届いたら

こんな相談がありました/弁護士法人駿河台法律事務所

60代男性の方から、【弁護士法人駿河台法律事務所】から<最終通知書>なる書面が届いたと相談がありました。

駿河台法律事務所は、東京都千代田区に事務所を構える実在する弁護士事務所です。様々な会社の代理人として未払い債権の回収を担っていますが、ここのところは、【合同会社SP Asset Power】【ニッテレ債権回収株式会社】【中央債権回収株式会社】【セゾン債権回収株式会社】【札幌債権回収株式会社】などから委託を受けて通知を出しているケースが散見されます。

また、委託者である債権回収会社等も、【三菱UFJニコス株式会社】【りそなカード株式会社】など他の会社から債権を買い取って回収業務を行っていることから、駿河台法律事務所や債権回収会社の名前にも聞き覚えがない可能性がありますが、かといって届いた通知書や請求書を無視してしまうと裁判や差押えのリスクを負うことになりかねません。

より良い解決方法を考えましょう

今回届いた<最終通知書>には、以下のような記載がありました。

■債権の表示
債務者名:xxxx
原債権者名:三菱UFJニコス株式会社
債権者名:中央債権回収株式会社
残元金:160,000円
利息等:370,000円
他費用:0円  合計債務額:530,000円(令和x年x月x日現在)

駿河台法律事務所からの通知書には原債権者、つまり契約当時の相手方が記載されています。もしかすると、この原債権者の名前を見て初めてピンと来る方もいらっしゃるかもしれません。また、これは駿河台法律事務所が出している『ご通知』などの他の書面にも共通して言えることですが、原債権者との契約年月日くらいの記載はあったとしても、いつまで払っていたのか、本来いつ払うべきものだったのかは明らかではありません

相談者の話によれば、そもそもニコスから一度も請求を受けたことがないとのことでした。実は、このニコスは他の消費者金融やクレジットカード会社の中でも群を抜いて未払債権の回収に熱心ではない会社です。どういった事情があるのかは分かりませんが、 ニコスに関する相談ではこのような申告を受けることが結構な頻度であります。実際に依頼を受け、調査をしてみると、本当に何年も一度も請求をしていなかったようなケースが非常に多い印象です。

さて、ここまででこれまで請求を受けることなく、長期にわたって未払いが続いていることは分かりました。また、『最終通知書』の文章の中で、『法的手続による回収が必要と判断し、裁判所へ訴訟提起の上…』と記載されていることから、現状では裁判は起こされていないと予想することが出来ます。これら状況を照らし合わせて考えると、どうやら消滅時効を援用することで払わずして解決できる可能性がありそうです。

重要なポイント

『時効』とは、一定期間状況が変わらない場合に、当事者の主張により、権利の得喪を確定させる民法で定められた法律効果を指します。時効には取得時効と消滅時効とがありますが、このうち消滅時効は元々存在していた権利が消滅する場合のルールを定めています。

■消滅時効の要件
① 5年以上支払がない
② 過去に裁判(訴訟・支払督促)を起こされていない
③ 5年以内に相手方と直接、電話などで話をしていない

このルールを今回のケースに当てはめると、②③については先ほど述べたとおり、ないという前提に立ちますが、①に関しては詳細が明らかではありません。

では、どれくらい前から未払いの状況が続いているのでしょうか。利息・損害金からおおよその年数を割り出してみましょう。

利息制限法(民法で利息の上限利率が定められています)によれば、借入額が10万から100万円の間の場合の上限利率は18%と定められており、また、期日に遅れた後の利息は、遅延損害金と呼ばれる利息プラスαの利率が適用されることになりますが、このプラスαの上限は利息の1.46倍までとされています。

残元金16,0000円 × 18% × 1.46倍 = 42,048円

いずれも上限利率を基準とした場合、1年間放っておくと、利息(損害金)だけで年間最大42,048円も債務が増えることになります。『最終通知書』の中で、利息等は37,0000円とありましたので、ここから年数を計算することができます。

利息等370,000円 ÷ 42,048円 = 8.799…

以上から、どれだけ少なく見積もっても8年以上は支払っていないことが分かります。

解決

払って解決することに否定するわけではありませんが、未払いが発生してから一度も請求を受けていなかったような債権について、残元金の3倍以上の金額を払いたい、という方はなかなかいらっしゃらないと思います。

駿河台法律事務所に取引履歴の開示を求めたところ、その翌日に『辞任通知』が届きました。

全ての案件について、このような処理がされているかは定かではありませんが、駿河台法律事務所は書面での請求やSMSでの督促、入金管理だけを行っており、当事務所のような司法書士事務所または弁護士事務所が介入した際は、代理人の地位を『辞任』するケースが多く存在します。そういった意味では、たとえ相手方が弁護士事務所だと言えど、それくらいの役割しか担っていないと考えれば、無用に委縮せずとも良いとも言えます。

その後、直接、中央債権回収から取引履歴を取り寄せたところ、10年以上支払いがないことが明らかになりました。このほか、時効を中断・更新させるだけの措置をとっていなかったことも明らかになったため、『内容証明郵便をもって中央債権回収に対して消滅時効を援用しました。』

結果、元金・利息を含む一切の支払義務は消滅し、今後の請求・督促がないことを中央債権回収の担当者に確認し、解決に至りました。

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